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SSDの寿命はどれくらい?
寿命を縮める原因と対策方法をご紹介

SSDトラブル・基礎知識
更新:2023.09.19
SSDの寿命はどれくらい?<br> 寿命を縮める原因と対策方法をご紹介

以前に比べて安価に入手できるようになり、さまざまな場所でストレージとして活用されているSSD。しかし、SSDには寿命があり、いつかは使えなくなるため、データを保存する際は注意しなければいけません。
この記事では、SSDの具体的な寿命の目安や、寿命を縮める原因と対策方法などをご紹介します。


1 SSDの寿命はどれくらい?
2 SSDの寿命が近いときの症状
3 SSDの寿命を縮める原因と対策方法
   3-1 データの書き込み回数が多い
   3-2 SSDの空き容量が少ない
   3-3 使用環境が悪い
4 SSDは放置していると使えなくなる?
5 寿命が近づいたらバックアップを取っておこう
6 SSDの使用方法には注意しよう

SSDの寿命はどれくらい?

SSDの寿命は、一般的には「5年程度」とされています。使い方にもよりますが、SSDは物理的に動く部品がなく衝撃に強いことから、HDDより寿命は長い傾向にあります。
ただし、データの読み書きを行う頻度やSSDの種類、使用環境などに左右されるため、必ずSSDの方が長持ちするというわけではありません。

また、SSDの寿命はスペックにも影響を受けます。SSDは「マルチレベルセル」という技術によって大容量化を実現していて、使われているセルによってSLC、MLC、TLC、QLCの4種類があります。セルとは、SSDにおいてデータが記録される領域のことです。
それぞれ1つのセルに保存できるデータ量が異なり、SLCは1セルに保存できるデータが少なく、MLC、TLC、QLCの順番に1セルあたりの保存量が多くなります。反面、1セルに保存できるデータ量が少ないほど、SSDの耐久性は高まる傾向にある点を覚えておきましょう。
一般的にはSLCがもっとも耐久性に優れており、大容量を実現したQLCは耐久性が低いとされています。

SSDの寿命が近いときの症状

見た目から故障を確認するのは難しいものの、パソコンなどを起動した際の状況から、SSDの寿命はある程度判断できます。
SSDの寿命が近い場合に現れることがある症状としては、以下が挙げられます。

・データの保存やファイルを開くといった処理速度が以前より低下する
・作業中に突然フリーズする
・パソコンが突然シャットダウンする
・SSDがデバイスとして認識されない
・エラーメッセージやブルースクリーンが表示される

上記の症状が頻発する場合は、SSDが寿命を迎えている可能性があります。ただし、前触れなくSSDが故障するケースもあるため、日頃からSSDの状況を確認しておくことが大切です。

SSDの寿命を縮める原因と対策方法

SSDの寿命は、具体的にどのような理由で縮まってしまうのでしょうか。SSDの寿命を縮める原因と、劣化を防ぐための対策方法をご紹介します。

1. データの書き込み回数が多い
SSDが記録媒体として採用しているフラッシュメモリの内部には、「トンネル酸化膜」という絶縁体があり、そこを電子が行き来してデータの読み書きを行っています。データの書き込み回数や使用時間が多いほど絶縁体の劣化は進み、次第に使えないセルが増えていくため、データが書き込めなくなります。
書き込み可能なデータの総容量は「TBW」で表され、この数値が大きいほど書き込み可能回数が多く、寿命も長いです。

SSDの寿命を延ばすには、無駄なデータの書き込み回数を減らすことが重要です。使用していない間もSSDに通電を続けると、バックグラウンドで読み書きが発生することも考えられます。パソコンを長時間使用しない場合は、こまめにシャットダウンすると良いでしょう。

2.SSDの空き容量が少ない
SSDはデータを直接上書きできません。空き容量が少ない場合は、不要なデータをいったん削除して整理し、また書き直すという作業が行われます。
空き容量が少ないとデータの削除や書き直し作業が頻発し、SSDの劣化が早まる原因になります。パソコンの処理速度も遅くなるため、適度にSSDの空き容量を確保しておくようにしましょう。

また、SSDとHDDの使い分けもSSDの延命に効果的です。容量が大きいデータはHDDに、OSなどシステム関連のデータはSSDに保存するなどして使い分ければ、適度な空き容量を確保しやすくなります。

3. 使用環境が悪い
SSDをはじめ、精密機器は高温多湿や極度な低温といった過酷な環境に弱いです。動作不良や劣化を招く原因になるため、過酷な環境下で放置したり使用したりするのは避けましょう。
特に、通電していないSSDを高温環境に放置するとデータが消失しやすいという説もあるので、注意が必要です。

SSDは放置していると使えなくなる?

バックアップなどでデータを保存したSSDを長期間通電せずに放置すると、データが消えるという説があります。
長期間使用しない状態が続くと自然放電が起こり、データの消失が起こる可能性はあり得ます。高温環境に置いていると、より短い期間でデータ消失が起こる恐れもあるでしょう。

通常使用している限り問題になるとは考えにくいですが、バックアップ用途などで長期間使用しないSSDの場合は、定期的にデータの読み書きや通電を行っておくと安心です。

寿命が近づいたらバックアップを取っておこう

SSDは、複数の記憶領域にデータを分散しながら保存しています。データがある領域の1つでも問題が発生すると、データの読み書きは行えなくなります。また、データ復旧用のフリーソフトを使用することで、症状がさらに悪化する恐れもあるため注意が必要です。

SSDはHDDよりもデータ復旧が難しいメディアです。故障したと考えられるSSDの使用やフリーソフトによる復旧作業は避け、データ復旧業者やメーカーといった専門業者に相談することをおすすめします。

SSDの使用方法には注意しよう

SSDの寿命には、使用方法や環境が大きく関係するとされています。無駄にデータの読み書きを行わない、使用環境を整えるなど、使用方法に気を配ることで、長く使い続けられる可能性が高まります。
ただし、注意を払っていても、必ずいつかは壊れてしまうものです。保存データは他の場所にバックアップを取るなど、SSDの特長を踏まえた対策を取っておくことが重要です。

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