データ復旧お役立ちコラム

【SSDのデータ復旧】よくあるトラブルと復旧事例

SSDトラブル・基礎知識
更新:2023.09.19
【SSDのデータ復旧】よくあるトラブルと復旧事例

パソコンに用いられる記憶媒体としては、長らくハードディスクが主流となっていました。しかし、ハードディスクは容量が大きく安価なものの、転送速度や静音性に関してはそれほど高くありません。そこで誕生したのが、ソリッドステートドライブ、SSDというものです。
ハードディスクの代わりに使われることも多くなったSSDですが、このSSDでもデータ復旧をしなければいけないトラブルに見舞われることがあります。SSDでは、どのようなトラブルが発生するのでしょうか。
そこで今回は、SSDの概要や起きやすいトラブル、データ復旧事例についてご紹介します。

SSDとは?

SSDは、ハードディスクと同様に記憶媒体として利用されるものです。ハードディスクが内蔵されたディスクにデータを書き込んでいるのに対し、SSDはメモリーチップに書き込みを行ないます。そのため、SSDはUSBメモリーと同じタイプの記憶媒体といえます。

SSDの特徴は、ハードディスクに比べてデータ転送速度が早く、静音性が高いということ。パソコンのOS起動速度を比べると、ハードディスクよりも約30%起動時間が短縮されたというデータがあります。また、ディスクを内蔵しているハードディスクと異なり、SSDには駆動部分がないことから高い静音性を誇ります。このことから、現在ではハードディスクに代わって利用されることも多くなっています。ただし、ハードディスクに比べて容量を大きくするのが難しく、また価格もハードディスクよりも高いことから一長一短であるといえます。

SSDでのトラブル・障害事例

SSDは、ハードディスクに比べてデータ復旧が困難であるとされています。そんなSSDでは、どのようなトラブルが発生するのでしょうか。

・論理的障害
論理的障害とは、保存されている情報が破損することで発生する障害のことです。たとえば誤ってフォーマットしてしまったりデータを消去してしまったりと、誤操作によって発生するデータの消失もこれにあたります。このほか、OSの不具合などによって構造情報が破損してしまうといったことも考えられます。

・ファームウェア障害
ファームウェアは、SSDを制御するためのソフトウェアです。このファームウェアに障害が発生することで、正常な認識や動作が行なわれないトラブルもあります。たとえば容量の誤認識。SSDにはそれぞれ容量が設定されていて、その容量分だけデータを記録することができます。ところが、この容量の情報が破損するとデータ容量を異常に小さく認識してしまい、そのせいで使用できなくなってしまうのです。
これ以外にも、一定時間以上の通電で異常終了してしまう不具合や、ファームウェアのアップデートが正常に行なわれずデータが破損してしまうトラブルなどがあります。

・物理的な障害
物理的な障害は、SSDの構造自体に問題が発生する障害です。たとえばSSDに強い衝撃を与えたことによる各部の破損や、書き込み回数の上限到達などがあげられます。物理的な障害は、比較的データ復旧が難しいとされています。

SSDのデータ復旧事例

SSDに発生するトラブルとしては、前述したようなものがあげられます。以下では、そういったトラブル・障害が実際の起こった場合のデータ復旧事例についてご紹介します。

・フリーズが多発するようになった
フリーズが頻繁に発生するようになったため、パソコンでシステムの復元を試みたケース。システムの復元ができないため電源を落としたところ、正常な起動ができませんでした。別のパソコンで起動してみると未フォーマットのドライブとして表示され、調べたところ構造情報の破損により正常なアクセスができないことが発覚しました。構造情報を修復することで、データ復旧ができました。

・OSが起動できなくなった
パソコンを正常にシャットダウンした後、OSが起動できなくなったケース。DLLファイルの破損でOSが起動できないというメッセージが出たため、パソコンから取り外して別媒体で読み取ってみると保存されているデータが参照できない状態になっていました。フォーマット情報が破損していたため構造情報を修復することで、データ復旧ができました。

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