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Type-Cだけじゃない!
充電ケーブルの種類とUSB PDの基礎知識

USBメモリ/SDカードトラブル・基礎知識
更新:2023.09.19
Type-Cだけじゃない!<br> 充電ケーブルの種類とUSB PDの基礎知識

スマートフォンやタブレットをはじめ、さまざまなデバイスの充電に欠かせないのが充電ケーブルです。充電ケーブルにはいくつか種類がありますが、それぞれ対応しているデバイスが異なるので、違いを知っておくことが大切です。
この記事では、充電ケーブルの基本的な種類と、USB‐Type-C(TM)の一部で採用されているUSB PDの基礎知識についてご紹介します。


1 充電ケーブルの端子の種類
   1-1 USB‐microB
   1-2 Lightning
   1-3 USB‐Type-C(TM)
2 USB‐Type-C(TM)で使えるUSB PDとは?
3 USB‐Type-C(TM)で急速充電が行えない原因と解決方法
   3-1 デバイスがUSB PDに対応していない
   3-2 ACアダプタ側の出力が足りない
   3-3 ケーブルの端子形状の問題
   3-4 ケーブルの規格の問題
4 充電ケーブルを選ぶ際はACアダプタも確認しよう

■充電ケーブルの端子の種類

充電ケーブルは、接続端子の形状によっていくつかの種類に分けられます。ここでは充電ケーブルの種類と、それぞれの特長についてご紹介します。

1.USB‐microB
端子部分が台形になっていて、上下で形状の異なる充電ケーブルです。「microUSB」と呼ばれる場合もあります。以前はスマートフォンやデジカメ、モバイルバッテリーなどで広く使われていました。USB2.0に対応し、データ転送速度は最大480Mbpsとなっています。

2.Lightning
Apple社が開発した規格で、iPhoneやiPadなどのApple製品で使われています。端子に上下の区別がなく、接続部分を確認しなくても接続が可能です。

3.USB‐Type-C(TM)
USB3.1規格の開発とほぼ同時に制定された、USB‐microBより新しい規格の充電ケーブルです。Lightningと同じく端子に上下の区別がないので、接続時に確認をする必要はありません。
スマートフォンやタブレットだけでなく、MacBookやSurfaceなどのパソコンにも採用されています。

また、両端の端子がUSB‐Type-C(TM)となっているケーブルや、片側がUSB-Aでもう片側がUSB‐Type-C(TM)となっているケーブルなどの種類があります。
USB規格以外の信号を流せる「オルタネートモード」や、デバイスの急速充電を行える「USB PD(USB Power Delivery)」機能に対応できる点も特長です。DisplayポートやHDMIなどの出力規格に対応する場合は、データ転送に限らず、映像の出力もケーブル1本をつなぐだけで行えます。

■USB‐Type-C(TM)で使えるUSB PDとは?

USB PDとは、USB‐Type-C(TM)端子に対応した電源供給の規格です。従来のUSB3.0では、4.5W(5V)までの電源供給が可能でしたが、USB PDでは使用電圧に合わせて5V、9V、15V、20Vの4電圧が設定されており、最大100Wまでの出力に対応しています。デバイスに急速充電を行ったり、パソコンや液晶モニターなど、大容量の電力が必要なデバイスへの電力供給を行ったりできるのがメリットです。

■USB‐Type-C(TM)で急速充電が行えない原因と解決方法

USB‐Type-C(TM)ケーブルを使っているのに、USB PDを使用できないことがあります。そのような場合は、どこに原因があるのでしょうか。ここでは、USB‐Type-C(TM)で急速充電が行えない原因や対処法についてご紹介します。

1.デバイスがUSB PDに対応していない
USB‐Type-C(TM)のポートを備えたデバイスでも、USB PDによる充電をサポートしているとは限りません。デバイスがUSB PDに未対応の場合は、USB PD対応のケーブルやACアダプタを使っても、通常の電源供給の範囲内で充電が行われます。あらかじめ、デバイスがUSB PDに対応しているかどうかを確認しておきましょう。

2.ACアダプタ側の出力が足りない
ACアダプタの出力が小さい場合も、急速充電を行うことは不可能です。例えば、60Wの出力が必要なデバイスに最大出力18WのACアダプタをつないでも、うまく認識されないかバッテリー残量の減りが遅くなるだけで、充電は行われません。
USB PDを使用する際は、できるだけ出力に余裕があるACアダプタを用意することをおすすめします。ただし、出力が大きくなると発熱量も大きくなる点には注意しましょう。

3.ケーブルの端子形状の問題
使用している充電ケーブルの規格の問題で、急速充電が行われないケースも考えられます。USB PDは、機器の情報を通信する「CCライン」を用いて、必要な電流や電圧の情報を交換しながら充電を行います。片側がUSB-A、もう片側がUSB‐Type-C(TM)となっているケーブルはCCラインを持たないため、急速充電が行えません。
両側の端子がUSB‐Type-C(TM)かつ、USB PDに対応している充電ケーブルを選ぶ必要があります。

4.ケーブルの規格の問題
USB PDに対応しているUSB‐Type-C(TM)ケーブルには、3A対応と5A対応の2種類があります。3A対応のケーブルは60W(20V)、5A対応なら100W(20V)が、給電可能な上限です。
ACアダプタとデバイスが100Wに対応していたとしても、3A対応のケーブルを使用していると最大出力での充電が行われません。充電ケーブルを購入する際は、対応している規格を確認することも必要です。
また、USB2.0や3.0といった規格は転送速度に関する規格で、急速充電には関連がない点も覚えておきましょう。

■充電ケーブルを選ぶ際はACアダプタも確認しよう

充電ケーブルにはさまざまな種類がありますが、近年はUSB‐Type-C(TM)が主流です。USB‐Type-C(TM)にはUSB PDに対応しているタイプもありますが、接続するデバイスやACアダプタによっては、機能を使えない可能性もあります。
USB PDを活用して急速充電を行いたい場合は、充電ケーブルだけでなく、ACアダプタなども併せて確認するようにしましょう。

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