パソコンで作業中に突然画面が固まってしまい、マウスやキーボードによる操作を受け付けなくなることがあります。「フリーズ」と呼ばれる不具合で、さまざまな原因によって引き起こされます。パソコンがフリーズした際に誤った対処をしてしまうと、内部データが失われる可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、windows 10/11を例にパソコンがフリーズする原因や対処法、フリーズを未然に防ぐ方法について解説します。
1 パソコンがフリーズする原因6つ

パソコンがフリーズする原因は、いくつか考えられます。ここでは、フリーズの主な原因をご紹介します。
1-1 パソコン内部の温度が高い
発熱によってパソコン内部が高温になると、フリーズが発生することがあります。これは、熱で内部の部品がダメージを受けないよう、パソコンが動作をストップさせてしまうためです。「熱暴走」と呼ばれる現象で、発生する原因はいくつか考えられます。
・冷却ファンの故障
・直射日光が当たる場所や温度が高い室内での使用
・通気口にホコリやゴミが溜まっている など
1-2 メモリが不足している
メモリ不足も、パソコンがフリーズする原因のひとつです。
アプリケーションを同時にたくさん開いたり、常に起動し続ける常駐プロセスが増加したりすると、メモリの容量によっては処理能力が不足してしまい、フリーズが発生します。
1-3 ウイルスに感染した
パソコンがウイルスに感染したことで、フリーズが発生する場合もあります。ウイルスによってメモリやCPUに過度な負荷がかかり、処理が追いつかなくなることが原因です。
ウイルスの感染経路は、メールの添付ファイルや悪質なWebサイトへのアクセス、ファイルのダウンロードなど多岐にわたります。日頃から十分な注意を払うことが重要です。
1-4 アプリケーションに問題が起きている
アプリケーションに問題が発生して、フリーズすることもあります。特定のアプリケーションを起動した時に限ってフリーズが頻発するのであれば、アプリケーションそのものに不具合があるかもしれません。
また、OSやアプリケーションを最新バージョンに更新していない場合や、OSに対応していないアプリケーションを開こうとした場合なども、処理が進まずにフリーズすることがあります。
1-5 マウスやキーボードのトラブル
パソコン本体ではなく、マウスやキーボードといった入力機器で接触不良や故障が発生している可能性も考えられます。
例えば、ワイヤレスタイプの入力機器の場合は、電池切れをパソコンのフリーズと勘違いしてしまうケースもあるでしょう。電池切れの心配がない有線タイプの入力機器でも、接触不良が原因で操作できなくなることが考えられます。
パソコンがフリーズしているのではなく、モニターにトラブルが発生して画面が映らないというケースもあり得ます。この場合は、モニターの交換や修理が必要です。
1-6 ストレージの劣化や故障
ストレージの劣化や故障も、フリーズの原因です。長く使い続けるうちに、動作が遅くなったり、データを読み取れなくなったりといったトラブルが起こりやすくなります。
ストレージの経年劣化や故障が原因でフリーズが発生している場合は、症状が自然に改善することはありません。ストレージの換装(交換)やパソコンの買い替えなどを検討しましょう。
2 パソコンがフリーズしているか確かめる方法

パソコンが動かなくなった時は、本当にフリーズしているのか確かめることが大切です。パソコンのフリーズが疑われる時は、以下の2点を確認してみてください。
2-1 周辺機器の接続や動作を確認する
フパソコン本体ではなく、周辺機器やモニター側に問題がある可能性があります。電池が切れていないか、ケーブルが抜けていないなどを確認してみるのがおすすめです。
特定の周辺機器だけ操作できない時は、その周辺機器が故障している可能性があります。
ワイヤレスマウスやキーボードは、無線関連の設定や受信機(ドングル)の接続なども確認してみてください。
2-2 アクセスランプを確認する
アクセスランプも確認する必要があります。アクセスランプとは、HDDやSSDといったストレージがデータを読み書きしていることを表すランプのことです。
アクセスランプが点滅している場合は、データの処理が行われている可能性が高いので、しばらくそのまま待ってみてください。
アクセスランプが点滅した状態でパソコンを動かせなくなる頻度が多い時は、パソコンのメモリが足りていない可能性があります。パソコンのスペックを確認したうえで、パーツの増設やパソコンの買い替えなどを検討しましょう。
3 パソコンがフリーズした際の対処法

パソコンがフリーズすると、復旧を急ぐあまり強制終了してしまう方も多いかもしれません。しかし、パソコン本体の故障につながる恐れがあるため、フリーズ時の強制終了はできるだけ避けることをおすすめします。
では、パソコンがフリーズした際はどのように対処すれば良いのでしょうか。
フリーズした時の対処法を、順を追ってご紹介します。
3-1 しばらく放置する
フリーズしてもすぐに強制終了するのではなく、しばらく待ってみてください。特定の処理に時間がかかっているだけで、処理が終われば操作できるようになる可能性があります。
マウスカーソルの横にマークが表示されている、アクセスランプが点灯しているといった場合は何らかの処理が行われているので、しばらく放置しましょう。
その状態で強制終了を行うと、データが消えてしまう恐れがあります。
3-2 タスクマネージャーでアプリを終了する
パソコン自体がフリーズしているのではなく、一部のアプリだけが固まって動かないケースも考えられます。ウインドウの右上にある終了ボタン(×)をクリックするか、「Alt」+「F4」キーを同時に押して、アプリケーションを終了してみるのも有効です。
アプリケーションを終了させてパソコンの負荷を減らせば、フリーズを解消できる可能性があります。
×ボタンが反応しない時は、タスクマネージャーから不要なアプリケーションを終了させることも可能です。
【タスクマネージャーでアプリケーションを強制終了する方法(Windows 10/11の場合)】
1.マウスが動く時は「スタート」ボタンを右クリックして「タスクマネージャー」を選択する。
キーボード操作では「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを同時に押す
2.簡易表示だった場合は左下の「詳細」を押し、表示された「プロセス」タブの一覧から、終了したいアプリケーションを選択する
3.右下にある「タスクを終了」をクリックする。
キーボード操作の場合は「Alt」+「E」キーを同時押しすると、選択したアプリケーションが強制終了される
特定のアプリケーションを強制終了しても状況に変化がない時は、「アプリ」欄に表示されている実行中のアプリケーションを全て終了してみるのも有効です。
3-3 サインアウトする
フリーズの原因になったアプリケーションが特定できない場合、サインアウト(ログオフ)するのも有効です。
サインアウトすると、開いている全てのアプリケーションを一括で終了できるため、再起動よりも早く復帰できる可能性があります。
【サインアウトの手順(Windows 10/11の場合)】
1.「Ctrl」+「Alt」+「Del」キーを同時に押す。マウス操作の場合は「スタート」ボタンを押してメニューを開いたら、アカウントアイコンをクリックする
2.「サインアウト」を選択すると、サインアウト(ログオフ)できる
3-4 再起動する
サインアウト後にサインインしても正常に動かない、サインアウト自体が行えないといった時は、パソコンの再起動を行いましょう。
マウス操作が行える時は、「スタート」ボタンを押して表示されるメニュー画面から「電源」アイコン⇒「再起動」の順にクリックしてください。
マウス操作を受け付けない場合は、以下の手順で再起動を行えます。
【再起動を行う手順(Windows 10/11の場合)】
1.「Ctrl」+「Alt」+「Del」キーを同時に押す
2.メニュー画面が表示されるので、「Tab」キーで項目を「電源」アイコンまで移動させる
3. 「エンターキー」を押すと「スリープ」「シャットダウン」「再起動」と表示されるので「再起動」を選択する
3-5 外部機器を取り外してみる
外付けストレージやモニター、プリンター、マウスなど、周辺機器の干渉によってフリーズが発生していることも考えられます。
一度全ての周辺機器を取り外して、様子を見てみるのもおすすめです。周辺機器を取り外すことで問題が解消した場合は、周辺機器の修理や交換しましょう。
3-6 強制終了する
ここまでの対処方法を試しても状態が改善しない場合は、強制終了を行うことになります。通常は、電源ボタンを長押しすることでパソコンを強制的にシャットダウンできます。
故障の原因になるので、電源ケーブルを抜いてデスクトップパソコンの電源を落とすのは厳禁です。
また、強制終了が原因で、ストレージの故障やシステムファイルの破損といった重大な不具合が発生する恐れもあります。
あくまでも最後の手段になるため、慎重に判断したうえで実行してください。