ビジネスシーンやプライベートを問わず、多くの方がパソコンを使用していると思われます。故障や新機種への買い替えなどのために使用していたパソコンを廃棄する場合、機密保持や個人情報保護の観点から、ハードディスク内の保存データを確実に消去することが重要です。
しかし、「ごみ箱」フォルダを空にする操作や、エクスプローラー画面で「完全に削除」ボタンを押す操作では、データは完全には消去されていません。
そこでこの記事では、ハードディスクのデータを消去する必要性やその方法、データを確実に消去する際に役立つ「データ消去サービス」についてご紹介します。
ハードディスクのデータを完全に消去する必要性
パソコンの内部には、機密性の高い業務上の情報や個人情報など、重要なデータがたくさん保存されています。それらのデータが抜き取られて情報漏えいを起こすと、第三者にデータを悪用される恐れがあります。
パソコンの初期化（フォーマット）やリカバリー機能によってデータを消去できますが、これらの方法だと、実際にはデータは消去されたように見えているだけです。ハードディスク内には削除されずに残っていて、復元ソフトを使ったり専門業者へ依頼したりするとデータが元通りになる可能性があります。
情報漏えいを防ぐためには、データの復元や閲覧が二度とできない状態にする「完全消去」を行うことが必要です。
ハードディスク内のデータを消去する3つの方法
パソコン内部のデータを、二度と復元できない完全消去の状態にするには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、データの完全消去を行う3つの方法をご紹介します。
ソフトを使用する方法
データの完全消去は、データ消去専用のソフトを使用して行えます。無料で利用できるフリーソフトや、有料ソフトなどさまざまな種類が出回っており、個人でも利用可能です。
専用ソフトによるデータの完全消去は、ハードディスクに無意味なデータを上書きし、既存のデータを完全に読み取れない状態にするという仕組みで行われます。上書きするデータのパターンや上書きの回数などによりさまざまな種類があります。
ソフトを使用する方法のメリットは、ハードディスクを壊さずにデータの完全消去が行える点です。ただし、消去の処理に長い時間がかかり、ハードディスクが故障している場合はデータ消去そのものが行えません。
またソフトの性能によっては、データ復旧の専門業者が復元できる場合もあるため、注意が必要です。
磁気で消去する方法
ハードディスクは、ディスク上に磁気信号を書き込むことでデータを保存しています。そのため、専用の装置で強力な磁気を当てることで、データを完全に消去できます。
磁気によるデータ消去は、ソフトで消去する方法よりも時間がかからず、ハードディスクが壊れている場合もデータを確実に消去できる点がメリットです。データを消去したハードディスクは、再利用もできません。
ハードディスクを破壊できるほどの強い磁気を発生する装置は一般家庭には存在しないので、通常は専門業者に依頼して行います。
ただし、業者の機器が古い場合などには、大容量のハードディスクのデータが破壊しきれない恐れもあります。また、データの記録方式に磁気を利用しているメディアにしか使用できず、SSDなどのデータ消去は行えない点もデメリットです。
物理的に破壊する方法
取り出したハードディスクに対し専門機器で穴を空けたり押しつぶしたりして、物理的に破壊することでデータを使用できなくする方法もあります。厳密にはデータを消去するわけではないものの、ディスクを破壊することでデータは二度と読み出せなくなります。
この方法の注意点は、データを記憶している部品（プラッター）を破壊しなければ意味がないことです。中途半端に破壊しただけでは、データの読み出しが行えてしまう可能性があります。
また、ハンマーなどでハードディスクを叩くと、破片が飛び散ってケガをする恐れもあり危険です。確実にハードディスクを破壊したい場合は、個人で行うのは避けた方が良いでしょう。
データを完全に消去したい場合はデータ消去サービスの活用がおすすめ
ハードディスクを物理的に破壊する方法では、データ記憶部分を完全に破壊できない恐れがあります。ソフトを使用する方法も、復元される可能性があり処理そのものに長い時間がかかるなど、個人でハードディスク内のデータを完全に消去するのは簡単ではありません。
使用しなくなったパソコンを廃棄する際は、データ消去サービスを活用する方法がおすすめです。データ消去サービスとは、使わなくなったハードディスク内のデータを、専用の機器で確実に消去するサービスのことです。
ロジテックのデータ復旧技術センターでは、ソフトウェア消去・磁気による破壊・物理的な破壊という、3つのデータ消去方法に対応しています。ハードディスクを再利用したい、ハードディスクが故障している、本当に完全消去が行われているか確認したいなど、幅広い要望に対応可能です。
総務省の「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が提唱する復元困難なデータ消去を実現し、サービス完了時には「データ消去作業完了証明書」も発行して確実性を担保しています。
確実に廃棄したいハードディスクがある場合は、ぜひ一度ご検討下さい。
ハードディスク廃棄の前にデータ消去サービスで完全に消去しよう
個人情報や機密情報が多く保存されているパソコンのハードディスクを廃棄する場合は、データの確実な消去が重要です。個人でできる範囲でデータを完全に消去することは難しいため、データ消去サービスを行っている専門業者に頼む方法が最も確実といえます。
ただし、業者によってデータ消去の方法はさまざまです。利用する際は、データの確実な消去を証明してもらえる、信頼性の高い業者に依頼することが大切です。
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