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リチウムイオン電池とは?
多くの場所で活躍している充電式電池の正しい使い方

お役立ち知識
更新:2023.09.19
リチウムイオン電池とは?<br> 多くの場所で活躍している充電式電池の正しい使い方

リチウムイオン電池とは?
多くの場所で活躍している充電式電池の正しい使い方

ノートパソコンやスマートフォンなど、多くのモバイル端末を使うには充電式の電池(バッテリー)が欠かせません。しかしバッテリーには寿命があり、使うほど劣化していきます。バッテリーを少しでも長持ちさせるためには、どのように使えば良いのでしょうか。
この記事では、充電式電池の中でも広く使用されているリチウムイオン電池の概要や、日常的に使われている電池の種類、充電式電池の寿命を延ばす使い方などをご紹介します。

1 リチウムイオン電池とは?
2 日常的に使われている電池の種類
   2-1 充電式電池
   2-2 マンガン乾電池
   2-3 アルカリ乾電池
   2-4 ボタン形電池/コイン形電池
3 リチウムイオン電池の寿命はどれくらい?
4 リチウムイオン電池の寿命を延ばす使い方
   4-1 高温の環境で使用しない
   4-2 満充電・残量0の状態で放置しない
5 リチウムイオン電池が発火する原因は?
6 電池の正しい捨て方
7 電池を理解して機器を正しく使おう

■リチウムイオン電池とは?

リチウムイオン電池とは、正極(+)と負極(-)を持ち、その間を埋める電解液の中をリチウムイオンが移動して充放電を行う電池のことです。充電時はリチウムイオンが負極側に、放電時は正極に向かって移動して充放電を行います。

リチウムイオン電池は、繰り返し充電して使える「二次電池」に分類されます。大容量の電力を蓄えられ、寿命が長いのが特長です。スマホやノートパソコンのバッテリーをはじめ、幅広い用途で使用されているリチウムイオン電池は、今や生活に欠かせない電池のひとつといえるでしょう。

■日常的に使われている電池の種類

リチウムイオン電池以外にも、日常生活ではさまざまな種類の電池が使用されています。ここでは代表的な電池の種類と、それぞれの特長や用途をご紹介します。

1.充電式電池
充電することで繰り返し何度でも使用できる電池です。二次電池とも呼ばれ、リチウムイオン電池以外にも、ニカド電池やニッケル水素電池といった種類があります。
ニカド電池は電動工具やコードレス電話などパワーが必要な機械に使われ、ニッケル水素電池はデジカメや電動自転車などに使われています。

近年は充電式電池といえば、リチウムイオン電池が主流です。スマートフォンやノートパソコンを筆頭に、ゲーム機、電気自動車、ドローンなど、多くの機器でリチウムイオン電池が使われています。

2.マンガン乾電池
マンガン乾電池は、休ませながら使うと電圧が回復するのが特長の乾電池です。懐中電灯やインターフォン、テレビのリモコンなど、小さな電力で動かせてオンオフの切り替えが多い機器での使用に向いています。

3.アルカリ乾電池
一般的に広く使われているのがアルカリ乾電池で、同じサイズのマンガン乾電池よりもパワーがあり長持ちするのが特長です。大電流を流す必要のあるデジカメやラジコン、CDプレーヤーなどでの使用に向いています。

4.ボタン形電池/コイン形電池
電池の直径が高さよりも大きく、平たい形状の電池です。アルカリボタン電池やコイン形リチウム電池など、複数の種類があります。電卓や腕時計、電子体温計などで使われています。

■リチウムイオン電池の寿命はどれくらい?

日常の多くの場面で使われているリチウムイオン電池ですが、永遠に使い続けることはできません。充電と放電を繰り返したり、電池残量が少ない状態や満充電で放置したりすると、リチウムイオン電池は劣化していきます。
バッテリーの性能や使い方などにも左右されますが、一般的には500回程度充放電を繰り返すと寿命に近づくとされます。見た目で寿命を判断することは難しいものの、バッテリーの減りが以前よりも早いなどの不具合が出ている場合は、寿命が近いといえるでしょう。

■リチウムイオン電池の寿命を延ばす使い方

リチウムイオン電池をはじめ、充電式電池の寿命を永久に保つことは困難です。しかし、使い方によって劣化を遅らせ、寿命を延ばすことはできます。ここでは、リチウムイオン電池の寿命を延ばす使い方の一例をご紹介します。

1.高温の環境で使用しない
リチウムイオン電池は高温下の環境に弱いです。高温の場所に放置しているだけで劣化が進んでしまうため、高温の場所で使ったり置きっぱなしにしたりするのは避けましょう。
また、充電をしながら機器を使用すると本体が熱くなり、電池の劣化を早めてしまうことがあります。充電中に機器を使用するのも、控えるのがおすすめです。

2.満充電・残量0の状態で放置しない
バッテリーが100%の状態(満充電)になっているのに充電を続けたり、残量が0%の状態(過放電)で放置したりするのも、リチウムイオン電池が劣化する原因のひとつです。バッテリーが切れたまま放置し続けると、電池内部の素材が劣化して充電できなくなる可能性があります。電池の内部でガスが発生し、バッテリーが膨らんでしまうことも考えられるため注意が必要です。
機器を長期間使用しない場合でも定期的に充電を行い、バッテリー残量が50%程度ある状態を保つようにしましょう。

■リチウムイオン電池が発火する原因は?

リチウムイオン電池は内部に燃えやすい液体が充填されていて、電池の中でも発火リスクが高いといわれます。強い衝撃を加えたり水没させたりすると内部でショートを起こし、稀にではありますが、突然発火したり煙が噴き出したりする恐れがあります。

リチウムイオン電池を安全に使うために、分解したり衝撃を加えたりすることは避け、水濡れした電池も使用は控えることが大切です。
また、バッテリーの減りが早くなった、充電時に熱を持つようになったなど、劣化が進み正常に使えなくなった電池は、内部が傷んでいる可能性が高いです。万が一の事態に備えて、使用をやめた方が良いでしょう。

■電池の正しい捨て方

充電式の電池は、法律によって回収と再資源化が義務付けられています。リチウムイオン電池をはじめ、充電式電池は古くなったら機器から取り外して回収してもらいましょう。
取り外した充電式電池の端子部分には、必ずビニールテープなどを貼って絶縁処理を行います。
機器から取り外せないスマホの内蔵電池などは、携帯電話販売店などに依頼してリサイクルに出してください。発火の恐れがあるため、一般ごみと一緒に捨てるのは厳禁です。
ボタン形電池も内部に毒性の強い水銀を含むものがあるため、回収ボックスに捨てる必要があります。

使い捨てのアルカリ電池やマンガン電池、コイン形リチウム電池などは、一般の不燃ごみとして廃棄が可能です。ただしこれらの電池も、充電式電池と同様に発火の恐れがあります。セロハンテープなどを端子部に貼り、必ず絶縁したうえで廃棄してください。

また、電池の廃棄やリサイクル方法の詳細は地域によって異なります。住んでいる市区町村で必ず確認し、指示に従うことが大切です。

■電池を理解して機器を正しく使おう

現代の生活において、電池はさまざまな場面で使用されています。中でも充電式のリチウムイオン電池は、スマートフォンやノートパソコンなどに搭載されていて、使用する機会が特に多いです。
しかし、繰り返し使えて便利なリチウムイオン電池も、長期間の使用で劣化してしまうことは避けられません。劣化を防ぎ寿命を延ばすための注意点や、正しい処分方法を知っておき、安全に使うことが求められます。

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