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サーバー障害の原因と対処法は?
日頃の障害対策が重要

サーバートラブル・基礎知識
更新:2025.05.13
サーバー障害の原因と対処法は?<br> 日頃の障害対策が重要

企業のサーバーで障害が発生すると、業務の停止やそれに伴う信用の喪失、データの消失など、さまざまな影響を及ぼします。 サーバートラブルの原因は複数あるため、あらかじめ対策や対処法を押さえておくことが大切です。
今回は、サーバーに障害が発生した際の症状や原因、対処法、対策などについてご紹介します。

目次– 読みたい項目からご覧いただけます。

1 サーバー障害による影響は?

サーバー障害とは、サーバーに何らかの問題が生じて、機能が停止してしまうことを指します。
特に、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。

  • サーバーが起動しない、動きが遅い
  • Webサイトが表示されなくなる
  • メールの送受信ができない
  • 社内システムが使用できない
  • データにアクセスできない
  • エラーメッセージが表示される
  • 異音・異臭が発生する など

サーバー障害によって機能が停止してしまうと、そのサーバーに紐づいたシステムは全て利用できません。
例えば、Webサービスを展開しているサーバーがダウンすると、販売機会の損失やブランド力の低下、ユーザーへの賠償責任に発展することも考えられます。自社システムを利用している企業の場合は、業務の停止や作業効率の低下につながるでしょう。
数々の悪影響を防ぐために、サーバー障害に備えて日頃から対策を取ることが重要です。

2 サーバーに障害が発生する主な原因

サーバー障害は、アクセス集中やサイバー攻撃といった「外的要因」と、ハードウェアの故障やヒューマンエラーといった「内的要因」に大きく分けることができます。
ここでは、サーバーに障害が発生する主な原因をご紹介します。

2-1 アクセスの集中

アクセスが集中してサーバーに過剰な負荷がかかると、リクエスト処理が追いつかずに動作が遅くなったり、サーバーがダウンしたりすることがあります。

例えば、ECサイトで人気商品が発売されたり、ニュースでサイトが取り上げられたりしたタイミングは、アクセスが集中しやすくなります。 アクセスの増加に耐えられるように、前もってサーバーの増強(スケールアップ)などの対処が必要です。

2-2 外部からの攻撃

「「サイバー攻撃」と呼ばれる、悪意のある第三者からの攻撃が原因でサーバーに障害が起こることもあります。 ウイルスによる攻撃や、外部から大量のトラフィックを発生させる「DDoS」などが、代表的なサイバー攻撃の例です。
あらかじめ対策を取ることでサイバー攻撃のリスクは下げられるものの、完全に防ぐことは難しいとされています。

2-3 物理的な故障

サーバーを構成する部品の物理的な故障が、障害の原因になることもあります。 通電したまま長時間可動し続けるサーバーは、部品が熱を持ちやすく故障しやすいため注意が必要です。
部品の交換などによってリスクを下げることはできるものの、耐用年数を超えたサーバーの運用は、安定稼働が難しくなります。

2-4 自然災害

部品の老朽化による故障以外にも、地震や水害、落雷といった自然災害が原因で、サーバーに障害が発生することもあり得ます。
自然災害が原因のサーバー障害は防ぐのが難しいため、事前に障害発生に備えた対策が欠かせません。

2-5 ソフトウェアの不具合

ソフトウェアのプログラム内に生じたバグも、障害発生の原因のひとつです。 OSのインストールや設定変更などのメンテナンスを行った際に、障害が発生することもあります。

2-6 ヒューマンエラー

サーバーは、設定のミスやデータの破損によって動かなくなるケースもあります。 ヒューマンエラーも、サーバー障害の原因のひとつです。
具体的には、必要なファイルやバックアップを消してしまった、設定や操作を間違えてしまったといったミスが挙げられます。

3 サーバー障害を未然に防ぐための対策例

サーバーの障害を100%防ぐことは難しいものの、対策を取ることで障害の可能性を減らしたり、被害を抑えたりできます。
ここでは、サーバー障害を予防するための対策の例をご紹介します。

3-1 データのバックアップを取る

サーバーに障害が発生した時は、データも消えている可能性が高いです。 データの消失を防ぐために、日頃からバックアップを取っておくことが大切です。
運用に関するデータのバックアップを取っておけば、障害が発生してもスムーズに復旧できます。

3-2 サーバーの冗長化

機器の故障やアクセス集中などに備えて、予備サーバーを用意しておくこと(冗長化)も有効です。 複数のサーバーを用意して冗長化しておけば、1台のサーバーに障害が発生しても、予備サーバーに切り替えて運用を続けられます。

必要に応じてスペックを変更できる、クラウドサーバーを予備サーバーに導入するのも良いでしょう。
ただし、サーバーを複数台導入することになるので、コストがかかる点に注意が必要です。

3-3 監視システムの導入

サーバー障害を防ぐには、早い段階でサーバーの異常に気付くことが重要です。 例えば、アクセス過多が原因なら、トラフィックを監視しておくことで、早期に対処できる可能性が高まります。
サーバー障害の兆候を検知するために、サーバーの状態を監視し、異常があればメールなどで通知してくれる、サーバー監視システムを導入するのもおすすめです。

また、監視システムは操作や認証、通信などのログ(データ履歴)を管理できる場合が多いです。 安定した運用が見込め、管理者の負担軽減も期待できるでしょう。

3-4 ロードバランサーの導入

ロードバランサー(負荷分散装置)を活用するのも良いでしょう。 ロードバランサーを使えば、アクセスが急に集中しても、複数のサーバーへ負荷を分散することで障害発生のリスクを減らせます。
データの処理速度が速くなったり、サーバー機器の寿命が延びたりする可能性がある点も、ロードバランサーを導入するメリットです。

3-5 障害対策のマニュアルを作る

サーバー障害が発生するタイミングを判断することはできません。 サーバーの担当者が不在のタイミングで、障害が起こる可能性もあります。

そのような時も、どのように対処すれば良いのかわかるように、マニュアルを整備しておくことが重要です。 障害発生時に何をすれば良いのか周知・徹底することで、サーバー障害の影響を抑えられます。

4 サーバー障害への対処法

対策をしていても、サーバー障害を完全に防ぐことはできません。 万が一サーバーに障害が発生した場合は、以下の流れで対処しましょう。

1.サーバーの電源やケーブルなどを確認する
サーバーにアクセスできない、起動しないといった時は、最初にサーバー本体の電源やケーブルを確認しましょう。電源が切れていた、ケーブルが抜けていたといった理由でアクセスできないだけの可能性があります。
電源やケーブルに問題が見られない時は、アクセスランプが点灯していないか、異音が聞こえないかといった点も確認することがポイントです。サーバーによっては、エラーメッセージによって状態を確認できるケースもあります。

2.原因の特定・復旧作業
障害の原因を、レイヤーごとに区切って特定していきます。 ハードウェア⇒OS⇒ネットワーク⇒アプリケーション(ソフトウェア)⇒サービスの順で行うのが基本です。
原因を特定できたら、復旧作業に取り掛かります。 障害ごとの対応方法を記載したマニュアルを用意しておくと、スムーズに作業を進めることが可能です。

3.再発防止策を検討し、実施する
復旧作業が終わったら、再発防止に向けて対策を練ることも重要です。 対策を取らないでいると、同じ原因で障害が発生しかねません。

自社だけで障害に対応できない場合は、状態が悪化する前に専門業者へ相談してください。

5 ファイルサーバーの障害発生時にやってはいけないこと

NASのようなファイルサーバーで障害が発生すると、保存しているデータにアクセスできなくなってしまいます。障害を放置し続けると、データが完全に消えてしまうこともあるため注意が必要です。
ファイルサーバーが正常に動いていない時はすぐに電源を切り、通電を控えてください。通電を続けた結果、状態が悪化してデータ復旧ができなくなる恐れがあります。
電源のオンオフや再起動の繰り返しも避けることが大切です。
重要なデータを保存しているサーバーに何らかのトラブルが発生している時は、何もせずにすぐ専門業者に依頼することをおすすめします。

6 不安な場合は専門業者へ相談するのが大切

サーバーに関する知識がない場合や、管理担当者が不在の場合は、速やかに専門業者へ連絡することが大切です。 サーバー機器のメーカーやシステム保守ベンダー、セキュリティの専門家などに連絡し、対応を依頼することが、安定的なサーバーの運用には欠かせません。

ただし、サーバーの修理ができない、修理はできてもデータが戻らないといった可能性もあります。 サーバー内のデータを安全に取り出したい場合は、信頼できるデータ復旧業者に相談するのがおすすめです。

7 日頃からサーバー障害への対策を取っておこう

サーバーに障害が起きると、多方面に影響が及びます。万が一障害が発生した場合は、早急に専門業者に連絡してください。
データを保存しているファイルサーバーで障害が発生した際は、すぐに使用を止めてデータ復旧の専門業者に依頼することをおすすめします。

ただし、障害が発生した後の対応以上に大切なのが、障害を未然に防いだり、被害を最小限に抑えたりする取り組みです。 日頃から、サーバーの冗長化やバックアップなどの対策を取り、被害を抑えることを心がけましょう。

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