データ復旧お役立ちコラム

ハードディスクの故障には2種類ある? 論理障害と物理障害について

HDDトラブル・基礎知識
更新:2023.09.19
ハードディスクの故障には2種類ある? 論理障害と物理障害について

パソコンにデータを保存しておくためには、記憶媒体と呼ばれるものが必要になります。そのなかで最も一般的なのがハードディスクで、数多くのパソコンに搭載されています。このハードディスクは消耗品であるため、いつかは寿命が訪れます。しかし、その前に故障して使えなくなってしまうこともあります。ハードディスクが故障してしまうとなかのデータが破損してしまうこともあり、その場合はデータ復旧の利用も検討しなければいけません。
ハードディスクの故障には2種類あり、それぞれ原因も対処法も異なります。データ復旧の難易度も変わるため、故障した場合はどちらの種類であるのかも重要なポイントとなります。そこで今回は、ハードディスクの2種類の故障についてご紹介します。

データが故障する論理障害

ハードディスクの故障のうち、データの破損によって起こる障害が論理障害です。ハードディスク自体に問題がないものの、記録されているデータが破損しているため不具合が発生します。
論理障害が発生する主な原因は、プログラムの故障です。ハードディスクを長時間使用しているとプログラムファイルが破損することがあり、これによって正しくデータを読み込むことができなくなります。ウィルスに感染した場合でも、同様にプログラムが破損することがあります。また、人為的なミスも論理障害の原因のひとつです。誤操作によるデータの消去や初期化などがあげられます。
代表的な論理障害の症状としては、フォーマットの要求やOSが起動しない、ファイルやフォルダが開けない、ウイルス感染などによりファイル名が書き変わった、開けないなどがあげられます。ハードディスク自体は正常に起動することもあるため、気づきにくい部分もあります。

ハードディスクそのものが故障する物理障害

ハードディスクの故障のうち、ハードディスクそのものの破損によって起こる障害が物理障害です。ハードディスクのなかにはさまざまな部品があり、それらが破損することで不具合が発生します。
物理障害が発生する主な原因は、振動、衝撃や熱暴走です。高いところから落とす、水没させるといった極端な事例もありますが、そこまで強い衝撃でなくても壊れる可能性はあります。また、長時間の使用による消耗も物理障害の大きな原因のひとつとなります。ハードディスクが消耗品である以上、経年劣化が起こるのは仕方のないことだといえます。
代表的な物理障害の症状としては、異音や異臭、発熱、フォーマットの要求、BIOSで認識されない、OSが起動しない、頻繁に再起動するなどがあげられます。コピーや保存に時間がかかるようになったなど論理障害と似たような症状になることも多いため、見分けるのが難しいともいえます。

障害の種類による対処の違いと見分け方

前述したように、論理障害と物理障害は原因が大きく異なります。そのため、それぞれ障害が発生した際の対処も異なるのです。データ復旧を行なう場合、どういった違いがあるのでしょうか。

データ復旧は自分で行なう方法と業者に依頼する方法の2種類がありますが、論理障害であれば自分でデータ復旧ができる可能性があります。論理障害はデータが破損しているだけなので、市販のデータ復旧ソフトで対処できる余地があります。しかし、物理障害の場合はそうはいきません。物理障害はハードディスク自体が壊れているため、データ復旧には分解やパーツの交換など専門的な作業が必要になります。データの破損具合も物理障害のほうが重度であるため、業者に任せるしかありません。

論理障害と物理障害の見極めは、場合によっては難しくなります。前項でもご紹介したように症状が似通っている場合があるため、一概にこうである、とはいえないのです。そのなかでも、異音や異臭を伴っている場合にはまず間違いなく物理障害が発生しているといえます。また、ハードディスクの診断ツールを使うことである程度判断することも可能です。ただし、診断ツールを使うためには通電する必要がありますが、不用意な通電は自体を深刻化させる可能性があります。安全にデータ復旧を行ないたいなら、最初からデータ復旧業者に依頼するのがいいでしょう。

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