数あるサイバー犯罪の中でも、不正アクセスは個人情報の漏えいをはじめ、SNSやクレジットカードの悪用につながったり、他のサイバー攻撃の踏み台にされたりと、深刻な二次被害をもたらし得るものです。
不正アクセスを受けた後の被害拡大を防ぐには、異変に気付いた段階ですぐ実態を把握することが求められます。
この記事では、不正アクセスされたか調べる方法や、不正アクセスに関連するよくある疑問を解説します。

1 不正アクセスが疑われる時は迅速な調査が重要
不正アクセスの被害は、ただそのアカウントが使えなくなるだけとは限りません。個人情報や企業秘密などの重要な情報が漏えいして社会的な信用を失ったり、サイバー攻撃の踏み台として使われたりするリスクがあるものです。
企業が不正アクセスの被害を受けた場合は、法的責任を問われる事態に発展することも考えられます。
そのようなリスクを防いだり、不正アクセスが起きた後の対応を早急に判断したりするためには、迅速に調査を行うことが大切です。
2 不正アクセスされたか調べる方法
不正アクセスと一口にいっても、犯人の侵入経路はサーバーやOA機器、パソコン本体、クラウドシステムなどさまざまです。
万が一不正アクセスが疑われる時は、被害の有無や侵入経路をどのように調べれば良いのでしょうか。
不正アクセスされているかを調べる具体的な方法としては、次の3つが考えられます。
2-1 アクセスログを解析する
不正アクセスが疑われる際は、最初にアクセスログを解析するのが基本です。アクセスログには、アクセスしたユーザーや日時、IPアドレスといった情報が記録されています。
アクセスログを解析することで、誰が、いつ、どこからアクセスを試みたのか確認することが可能です。
操作した記憶がない日時にアクセス履歴が残っている、知らないIPアドレスやデバイスからログインされた形跡があるといった場合は、不正アクセスの被害を受けている可能性があります。
2-2 ログイン通知などで調べる
不正アクセスの手口のひとつに、想定されるIDやパスワードを機械的に入力してログインを試みる「総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)」という手法があります。
短期間に何回もログインの失敗通知が届いたり、身に覚えがないのにアカウントがロックされたりしている場合も、不正アクセスが試みられた可能性が高いです。
その際は、これといった被害が見られなかったとしても、すぐにパスワードを変更してください。
セキュリティソフトを導入している場合は、ウイルスや不審なアプリがインストールされていないかチェックすることも重要です。
2-3 サービス会社に連絡する
違該当サービスの運営会社や、クレジットカード会社に確認してみるのも良いでしょう。例えば、クレジットカードの利用明細に身に覚えのない不審な取引が記載されていた場合は、不正アクセスによりアカウントを使われていた可能性があります。
不正アクセスによって金銭の不正利用や送金が見られた場合は、金融機関に連絡したうえで、警察に相談してください。
3 不正アクセスが疑われる時は証拠の保全が大事
不正アクセスが疑われる際は、その後の対処に必要な証拠を保全する必要があります。この時注意したいのが、デジタルデータは改変や削除が簡単に行えてしまうため、個人で取得しても法的な証拠として機能しない恐れがある点です。
法的証拠としてアクセスログなどの記録を残したい場合は、デジタルデータの解析・保全に対応できるデジタルフォレンジックの専門業者に相談・依頼することをおすすめします。

4 「不正アクセス」に関連するよくある質問
ここからは、不正アクセスに関するよくある疑問・質問と、その回答をご紹介していきます。
4-1 不正アクセスには兆候がありますか?
不正アクセスが疑われる際は、次のような事象が見られる場合があります。
・身に覚えのないログイン通知が届いた
・知らないIPアドレスからのアクセス履歴がある
・パスワードや登録情報などが勝手に変わっている
・記憶にない課金や送信履歴がある
・機器のデータ通信量が明らかに増加している
必ずしも不正アクセスとは限りませんが、上記のような事象が見られた場合は注意が必要です。日頃から通知などをこまめに確認し、違和感を見逃さないように気をつけましょう。
4-2 不正アクセスが発覚したらどうすれば良いですか?
万が一不正アクセスの被害を受けているとわかった時は、「被害の拡大を防ぐこと」を第一に行動する必要があります。
被害を把握した時点で、すぐに該当の端末をネットワークから切断したり、アカウントのログインを無効化したりすることが大切です。
乗っ取られた恐れがあるアカウントは、別の端末を使ってパスワードを変えてください。同じパスワードを複数のサービスで使い回している場合は、そちらも一緒に変更しておくことをおすすめします。
また、可能であればログイン履歴やアクセス状況などを証拠として保存しておきましょう。実際に不正アクセスによる被害が確認できた場合や、情報漏えいの疑いがある場合は、警察署などに届出・相談を行うことも重要です。
4-3 不正アクセスを防ぐにはどうすれば良いですか?
不正アクセス被害を完全に防ぎ切ることはできませんが、日頃のセキュリティ対策によってリスクを減らすことはできます。
OSやソフトウェアを最新の状況に保つ、多要素認証を導入する、IDやパスワードを適切に管理する、セキュリティソフトを使用するなど、基本的なセキュリティ対策を徹底しましょう。
また、使っていないアカウントや不要な権限を削除しておくことも重要です。アクセスできる範囲を可能な限り狭めることで、不正アクセスに遭うリスクを下げられます。
5 不正アクセスの疑いは放置せずに適切な対処を
不正アクセスが疑われる場合は、アクセスログの解析や通知の監視などによって、被害を受けているか調べることができます。
万が一、異常を見つけた際は、即座に該当の機器をネットワークから切断して、パスワードも変更することを心がけましょう。
また、デジタルデータは改変されやすいため、独自に調べたアクセスログなどが法的証拠として認められるとは限りません。被害の拡大を防いだり、法的措置を取ったりするために、不正アクセスの証拠はデジタルフォレンジックの専門業者に調査を依頼するのがおすすめです。



















