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静岡県 富士市役所 様

  静岡県 富士市役所 様

「視野角制御機能付き液晶モニタ」で画面からの情報漏えいを防止。
セキュリティにこだわった情報システムだからこそ、画面の表示までこだわった
富士山のふもと静岡県富士市の「富士市役所」では、庁内の基幹 システムの更新にともなって、端末(クライアント)に使用される液晶モニタにロジテックの視野角制御機能付き液晶モニタ 「LCM-TF1701AD/S」を採用した。
画面の覗き見による個人情 報の漏えいを防止することを目的として、窓口業務を担当する部署や、市民税など個人の重要な情報を扱う部署を中心に約600 台が導入されている。
富士市役所では、基幹システムにサーバ側 でデータを集中管理する「シンクライアント・システム」を採用することで端末からの個人データの流出を防止するとともに、端末の画面に表示される個人データの「覗き見」まで防止するとい う、徹底的にセキュリティにこだわったシステムを構築し、富士市民の大切な個人情報を守っている。
導入事例


富士市庁
富士市役所など、富士市の行政が集まる市庁。 北側には富士山の雄大な姿を望むことができる。
静岡県富士市

富士山のふもと、そして富士川の河口にある静岡県富士市は、
県下3 番目となる人口24 万人の都市で、静岡県東部の中心都
市のひとつである。製紙業が盛んで、紙・板紙類の生産におい
ては、全国生産量の約1 割のシェアを占める。富士市役所は
富士地区と吉原地区の中間に位置し、周囲に公共施設や商業施
設が多く集まることから、市の中心地となっている。

URL: http://www.city.fuji.shizuoka.jp/


運用面、セキュリティ面でメリットのある
シンクライアントを使った基幹システム

富士市役所 佐野様 富士市役所 木村様 富士市役所 小林様
取材にご協力いただいた、(左から)
総務部情報政策課 企画係 佐野雄二統括主幹
総務部情報政策課 開発係 木村俊夫統括主幹
総務部情報政策課 企画係 小林重義主査

 富士山のふもと、富士川の河口にある静岡県富士市は県下で3番目に人口が多い、静岡県東部の中心都市のひとつである。昭和41年に旧富士市、吉原市、鷹岡町の2市1町が合併し、現在の富士市となった。来年(平成20年)11月には、西に隣接する庵原郡富士川町との合併が予定されている。

 富士市は古くから「紙の町」として知られ、平安時代の延喜式に「駿河より紙を貢ぐ」と記されているほどで、現在でも全国屈指の紙・板紙の生産地である。トイレットペーパーの生産では平成17年の全国生産量の32.6%を占め、全国一を誇っている。市内には多数の製紙工場があり、新幹線の新富士駅周辺では、車窓からでも多くの製紙工場の煙突を富士山とともに見ることができる。この富士市の行政の中心を担うのが、今回の取材にご協力いただいた富士市役所総務部情報政策課である。

 総務部情政策課は、富士市の行政におけるさまざまな情報の管理、庁内のコンピュータシステムの開発や管理・運営などに携わる部署である。

 富士市役所では、昭和40年代に汎用機による業務システムの導入が始まった。その後、Windows 95の登場によりパソコンのネットワーク化が普及しはじめると、富士市でも平成11年度に、各部署に1台ずつ設置した端末と庁内のサーバをネットワークで結んだ新しい「財務会計システム」が導入された。

 さらに平成13年度からはグループウェアによる業務を前提とし、ひとりにつき1台のパソコンを導入するという計画が立てられ、3か年で約1500台の端末が設置された。こうして平成15年には、富士市役所の事務職レベルの職員すべてに端末が割り当てられるとともに、さまざまなシステムが稼働し、現在の基幹システムの基礎ができあがった。

構成イメージ

 富士市役所の基幹システムは、「シンクライアント」というシステム形態を採用している。「シンクライアント」の端末は、内蔵されたHDDにOSやアプリケーションがインストールされている一般的なパソコンタイプの端末とは異なり、モニタ・キーボード・マウスといった操作に必要な最小限の機器と、サーバと接続するためのターミナルを備えただけの端末である。各端末が利用するOSやアプリケーションは、すべてサーバ側にあり、端末側はネットワークを通じて送られてくる画面の表示データを見て、キーボードやマウスを操作するだけのものとなっている。業務で入力・作成したデータもサーバ側にしか保存することができない。

 シンクライアントのメリットは、大きく分けて2つある。
 ひとつはOSやアプリケーション、データをすべてサーバで一元管理できる点である。一般的なパソコンを使った端末の場合、端末ごとにOSやアプリケーション、データの管理が必要になり、端末の数が100台を超える大規模なシステムでは、維持と管理に大変な労力とコストが必要になる。しかし、シンクライアントではOSやアプリケーションをサーバに集約しているので、ソフトウェアのアップデートも端末単位で実行する必要がなく、サーバ側で一括して処理できるため、維持・管理費を大幅に削減できるのである。

 もうひとつのメリットは、端末側にデータを蓄積するストレージやDVD/MOドライブ等のデータ入出力デバイスが存在しないという点である。万一、端末が盗難にあっても、端末にはデータが一切存在しないので情報が流出することはない。常時、膨大な個人情報を取り扱う市役所という場にふさわしい強固なセキュリティシステムと言える。

 このように13年度から順次導入されてきたシンクライアント・システムの端末だが、このうちの約1500台が、今年度に入って一斉に更新されることになった。そして、今回入れ替えとなった端末のうち、窓口業務や市民税などの個人情報を扱う部署を中心に約600台について、新たにロジテックの視野角制御機能付きの液晶モニタが採用され、さらなるセキュリティ強化が図られた。


画面のセキュリティ対策から導入された
後付けの覗き見防止フィルタには問題点が

財政部市民税課には、市民の個人情報を扱うため、ロジテックの視野角制御機能付き液
 平成16年2月に策定された「富士市情報セキュリティポリシー」では物理的なセキュリティ対策のひとつとして、各部署の端末画面にプライバシー保護のためのフィルタを取り付けるという指針が設けられた。それまでにも、窓口や市民の個人情報を扱う部署では、画面に表示されるデータからの個人情報の漏えいを防止するために、個別に予算を使って「後付けタイプ」の覗き見防止フィルタを導入していた。しかし、何種類かのフィルタが試されたものの、いずれも一長一短があり、実際に端末を利用する職員が満足できるものではなかった。

 例えば、スクリーンタイプの覗き見防止フィルタの場合、フィルタを通すことで画面のコントラストが低下してしまう。特に当時の液晶モニタは、現在の製品に比べてコントラストが低く、フィルタを装着しない場合と比べると、どうしても画面の文字が見づらくなる傾向があった。そのため、覗き見防止フィルタを通した画面で業務をすることに違和感や、ストレスを感じる職員もいた。

 また、画面に貼り付ける「フィルムタイプ」の場合はきれいに貼るのが難しく、フィルム内に空気が残ってしまうと、その部分に表示される文字がにじんで見えるなど、貼り付けに関する問題点が多かった。さらに、故障により液晶モニタのパネル交換が必要になると、フィルムを新しいパネルに貼りなおす際に指紋やホコリが付着したり、空気が入ってしまったり、あるいは粘着性が低下するのではがれやすくなるという問題が起きた。そ して今回のように液晶モニタの画面サイズが15型から17型に変更されると、後付けタイプのフィルタでは再利用できなくなってしまった。

 今回のシステムの更新では、「富士市情報セキュリティポリシー」が策定されたこともあり、更新の予算の一部として、総務部情報政策課でまとめて端末の覗き見防止フィルタが発注されることになった。そして、このような問題を解決できるフィルタを探す中で出会ったのがロジテックの視野角制御機能付き液晶モニタ「LCM-TF1701AD/S」であった。


「覗き見もできる」という臨機応変さを持つ
ロジテックの「LCM-TF1701AD/S」

 視野角制御フィルタ内蔵 保護フィルタ付きの17型液晶モニタ「LCM-TF1701AD/S」は、上下左右170°の広視野角に、700:1の高コントラストの17型TFFカラー液晶パネルを採用している。液晶パネルの前面には、状況に応じて周囲からの視野を制御できる可変式の「視野角制御フィルタ」と、画面の表面を保護しながら見やすさを向上させる「硬化ガラス製保護フィルタ」が装着されている。「視野角制御フィルタ」は従来の覗き見防止フィルタとは異なり、電圧のオン/オフで、斜めから見たときに格子状の模様が見えるようにしたものである。前面にあるボタンを押すことで格子状の模様が変化し、14段階で視野角を調整できるようになっている。現在、富士市役所では初期値をレベル8に設定して使用している。

 保護フィルタとしての機能も充実しており、表面の硬化ガラスは厚さ2mm、硬度8Hで、画面をキズから保護できる。また「両面ARコート」が施され、外光の映り込みを抑え 、コントラス向上とチラツキ防止の効果もある。実際、税務を担当されている現場の職員の方に感想を聞いたところ、レベル8に視野角を制御しても、正面からモニタを見る限り、非常に鮮明でコントラストの良い、見やすい画面であると高評価を得た。

 
レベル8に設定された状態で、画面を横から見た場合
レベル8に設定された状態で、画面を正面から見た場合

レベル0に設定した場合は横からも画面が見える そして「LCM-TF1701AD/S」の意外な特長が、視野角制御機能付きの液晶モニタにもかかわらず、「周囲から覗くこともできる」という点だ。

 従来の後付けタイプの覗き見防止フィルタは、「周囲からの覗き見を防ぐ」ことだけが目的であるため、覗き見を防止できる替わりに、横から画面を覗くことは全くできない。しかも、いったんフィルタを取り付けると、ほとんどの製品は簡単に着脱することができない。しかし、実際の現場ではグループウェアを使う機会も多く、常に画面に個人情報が表示されているとは限らない。時には他の職員と画面を見ながら話し合うことも必要になるが、液晶モニタの横に立っても画面が見えず、非常に不便な思いをする。

 一方「LCM-TF1701AD/S」は、視野角を制限できるだけでなく、レベルを「0」にすることで一般的な広視野角の液晶モニタとしても使用できるのである。従来の覗き見防止フィルタを通した画面に違和感があった人でも、個人情報を扱わないときは、視野角制御を解除することでストレスを軽減できる。さらに個々の人がいったんレベルを変更しても、「メモリロック」機能により、モニタの電源を入れ直すだけで、初期設定値のレベル8に自動的にリセットできるのである。

 こういった臨機応変な使い分けが可能なことや、同じ機能を持つ競合商品がなかったことが、今回、ロジテック製品の選定につながるとともに、導入後に職員からも高い評価を得ている。
 


市民のプライバシーを守るために、
さらなる情報システムのセキュリティを強化を目指す

 シンクライアント・システムは、端末本体からデータが漏えいする心配がなく、システム自体が非常にセキュリティ性の高いものであるが、富士市役所ではさらにシステム全体のデータ入出力の監視、端末単位でのアクセス制限、ログの保存など、より細やかなセキュリティ対策を実施している。今後もインターネットのWebアクセスおよびメールのフィルタリングのさらなる強化など、レベルの高いセキュリティ対策を進める予定である。

 シンクライアント・システムの採用、端末の液晶モニタの視野角制御など、中央部から端末までの徹底したセキュリティ対策のおかげで、近年、企業や官公庁で問題になっているようなデータの漏えいは、富士市役所の庁内では全く起こっていないとのことである。このシステムが全国の自治体のセキュリティ性を高める導入モデルとして広まることが大いに期待される。
※2007年12月現在の情報です。
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