
私はネットワークコンサルタントの仕事をしているのですが、現在は印刷業のお客様から嘱託された情報インフラの整備、再構築を行っております。印刷業ということで、マシンはMacintosh、Windowsが混在しており、印刷用データは数十から数百メガが当たり前で、工程毎にデータの保存場所を移し変えたりと、個人ユース、一般ビジネスユースより多少厄介な条件でのシステム提案や導入工事となる場合が多々あります。
特に、MacintoshとWindowsとのファイル共有は必須条件であり、印刷業の業務では納品完了するまで印刷データを保存する必要があるため、NAS、Windows 2000 Server、Sambaサーバなどのようなネットワーク上で使用できるストレージを導入しなければなりません。
これらのサーバ類は、マシン自体は価格が安くなってきてはいるものの、WindowsベースにするとOSライセンス料が加わり、さらにマシン設置、OSのインストール、コンフィギュレーション、アカウント登録などの作業費が加わり、お客様の導入費用は大きくなってしまいます。そのため、オーバースペックではなく、シンプルで低コストなNASを探しています。
最近、評価のためにD社のWindows Storage Server 2003 + H/W RAID (1TB)のNAS(以下、WSS2003 NAS)を導入(実勢購入価格 約70万円 ※保守料なし)しましたので、今回のLHD-LAN体験レポートキャンペーンを利用して、初期設定、速度面でLHD-LAN160と比較してみました。

まず、使用前の初期設定ですが、D社のWSS2003 NASでは最初にコンソールを接続するか、Webブラウザでのアクセスを行う環境にする必要があります。Webブラウザでのアクセス環境は、アクセスするマシンを、NAS本体がデフォルトのIPアドレスが割り当てられているためセグメントを変えなければならないわずらわしさがあります。
おおよそ5分程度で、WSS2003 NAS本体にアクセスはできますが、そこからのコンフィグレーションは慣れていないと一見問題なく環境設定ができたと思っても、後で設定忘れなどによる問題を起こしてしまいます。
私が比較で評価したWSS2003 NASでは、導入時点で日本語環境になってはいるものの文字コードのエンコードがデフォルトでEN(英語)になっていたため、MacintoshとWindowsとのファイル共有では日本語が完全に化けてしまいました。常識なのかも知れませんが、簡単・詳細のいずれのマニュアルにも最初に文字コードのエンコード設定は必要とはありませんでした。
上記までのWSS2003 NASに比べ、LHD-LAN160は想像以上に簡単で、適切な設定がなされました。
最初に、LHD-LAN160本体に電源を取り付け、ネットワークケーブルでスイッチに接続しました。付属のCD-ROMから接続ツール(セットアップランチャー)を起動し、クイックセットアップツールでLHD-LAN160を見つけ出してくれました。後は、LHD-LAN160に適切なIPアドレスを割り当て、Webブラウザから簡単にLHD-LAN160の管理画面に入れました。管理画面は、シンプルかつNASとして機能させるための設定項目わかりやすく構成されており、ユーザ設定(アカウント登録)、共有設定(フォルダ作成、アクセス権の設定)がすんなり行えました。
単純な比較ですが、同じアカウント設定、フォルダ構成をし、NASの設定を終了するまでにかかった時間は、LHD-LAN160はWSS2003 NASに比べ、1/5 程度で済んでしまいました。

次に、データの書き込み、読み込みの速度を比べてみました。
環境的、設備的にも精度の高い比較検証は無理なため、単純にLHD-LAN160とWSS2003 NASを同じセグメント内に配置し、また基準とするPC(Pentium4 2.0MHz, 512MBメモリ)2台を用意しました。

30MByte(単一ファイルで)までのデータはいずれの機器も余りにも早くコピーが完了してしまうため、100 MByte、1Gbyteのデータで比較しました。
検証方法は、基準とするPC(Pentium4 2.0MHz, 512MBメモリ)から、
(1) LHD-LAN160へコピー(書き込み/読み込み)
(2) WSS2003 NASへコピー(書き込み/読み込み)
(3) PC(Pentium4 2.0MHz, 512MBメモリ)へコピー(書き込み/読み込み)
を行いました。
結果は、下記表のようになりました。
| (1)
| (2)
| (3)
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| PC→LHD-LAN160
| PC→WSS2003 NAS
| PC→PC
|
100MByte (書き込み)
| 16.1秒
| 11.6秒
| 13.9秒
|
1GByte (書き込み)
| 170.2秒
| 118.2秒
| 143.6秒
|
100MByte (読み込み)
| 14.3秒
| 10.2秒
| 12.6秒
|
1GByte (読み込み)
| 133.2秒
| 112.1秒
| 127.9秒
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結果を見ると、PC同士のコピーよりやや(約15%増程度)時間を費やし、WSS2003 NASとは約1.4倍程度の時間を費やすものとなりました
結果を評価するには、LHD-LAN160は多少遅いかなと感じましたが、それぞれの機器の基本スペックが違いすぎるのでコスト面から見ますと、満足がいくものと思います。

良い機会ですので、その他にもいろいろと検証を行ってみました。まず、同時アクセスでの使い勝手です。これも単純ですが、ある会社様のLANをお借りしMac 6台、Windows 3台計9台での同時アクセスを試みました。

LHD-LAN160にアクセスする分においては、何も問題なく接続できました。
数メガのデータをランダムにコピーするにあたっても、ほとんどローカルディスクでのコピーと変わりないものでした。
しかし、50MByteのデータを同時にコピーした場合は、速度が気になりました。
試しに、100MByteのデータを同時にコピーしたのですが、単一でのコピーが16.1秒であったのが、同時状態では30.8秒と約倍の時間がかかりました。
次に、同じ環境でネットワークでのセグメントを越えた接続も検証してみました。
Macintoshからは、ネットワーク上にゾーンが存在していないためセレクタから直接LHD-LAN160に割り当てたIPアドレスを指定しました。問題なく接続でき、データの書き込み/読み込みができました。
最後にちょっと変わった実験を行いました。LHD-LAN160にはFTPサーバ機能がありますので、ネットワーク上にWebカメラを置き、カメラで撮影した画像をFTP転送してみました。LHD-LAN160にアカウント、パスワード登録を行い、WebカメラにもFTP転送の設定をすると、何の問題もなく、LHD-LAN160に画像が転送・保存できました。

LHD-LAN160の利用方法として、FTPサーバ機能も見逃せないものと思いました。
特に防犯用としてのWebカメラでは、本体内蔵メモリに記録では容量が足りないとき、専用ソフトを使ってPCに記録するか、FTPサーバに記録するのが一般てきです。FTPサーバを用意するのは導入費用面、運用管理面をクリアしなければならず意外と簡単ではないのですが、LHD-LAN160は設定一発でFTPサーバとなる優れものであると感動しました。
 総論として、LHD-LAN160はNASというカテゴリーの中で、なんと言っても価格が安いことが一番の特徴である以外に、NASとしての機能は十分であり、設定が非常に簡単であることが実感できました。また、HDDのスリープ状態からアクティブになる時の音以外は、本当に静かです。
導入・設定、日々のメンテナンスについても業者、SEに委託する必要もなく使える逸品であると思います。今後UPSに対応していただければ、本当に申し分のない機器になると思います。

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