データ復旧サービス導入事例

ユニバーサル服飾高等学院

ユニバーサル服飾高等学院 束野博史氏、束野菜穂子氏 ご夫妻にロジテックのデータ復旧サービスを活用した理由と経緯について詳しく聞きました。

フリーソフトを使って復旧を試みましたが、結局、物理的損傷が進んだだけでした。ロジテックはファイル名とフォルダ構造も完璧に再現したので驚きました

ユニバーサル服飾高等学院
■ 対象ハードディスク
I/O DATA HDPC-AU500 (500GB)
■復旧スケジュール
解析開始~調査報告 2014/02/18 ~ 3/3
復旧開始~復旧終了(発送) 2014/3/12 ~ 3/12
ユニバーサル服飾高等学院について

ユニバーサル服飾高等学院は、神奈川県川崎市で昭和23年に創業した登戸ドレスメーカー学院を母体とする、服飾技術を学ぶための高等学校です。現在、高校 としてのユニバーサル服飾高等学院、専門学校としての登戸ドレスメーカー学院の他、年配の方や要介護者向けのユニバーサルデザインの衣服を製造販売するア ソシエCHACO」という事業も行っています。

※音声ONでご覧ください。

卒業アルバム用の行事写真データを消失

ユニバーサル服飾高等学院では、今回、ロジテックにどのようなデータ復旧を依頼したのですか。

(奥様):今回、ロジテックには、生徒の行事写真を保管していた外付けハードディスク(500GB)のデータ復旧を依頼しました。

当学院では、授業や行事の写真を折りにふれ撮影しています。撮影した写真は、主に「生徒の卒業アルバム」の材料として使います。卒業アルバムは、生徒に とっては3年間の学校生活の思い出となるもの。貴重なデータなので、失うわけにいきませんでした。

まずはご主人に復旧を依頼

ハードディスクが壊れた時の様子をお聞かせください。

(奥様):そのハードディスクは「写真保管の専用ディスク」として主人が2年前に買ってきてくれたものです。

それが、使い始めて2年目のある日、突然、読めなくなりました。あれ、おかしいなと思い、ケーブルとつなぎ直してみたり、電源を入れ直してみたりしましたが、やっぱり読めません。

まずは主人に、「何とかして」と頼ました。主人は、高校でコンピュータの授業を受け持っていた経験もあり、コンピュータには詳しいので、ウチではパソコンで何か困ったときには、いつでも主人に頼むんです。

ひととおり処置してみたが、やはり駄目

ご主人に質問です。奥様からの依頼を受けて、その後、何をしましたか。

(ご主人):最初はケーブルの接触不良を疑いました。

そこでハードディスクを他のパソコンにつないでみましたがダメ。他の方策を試してもやはりダメ。これはハードディスクそのものが故障している、そう結論し、妻に伝えました。

奥様はそれを聞いてどう思いましたか。

(奥様):「もうちょっと頑張って!」と突き返してみました(笑)。彼なら、きっと何とかしてくれると思ったので。

フリーソフトによる復旧。しかし…

ご主人は、次にどうしましたか。

データ復旧のフリーソフトウエアを、ネットから入手して、それを試すことにしました。

データ復旧サービスに出すことも一瞬、考えましたが、費用が高そうだったので、やめました。

フリーソフトの使用により、物理損傷が悪化した可能性…

データ復旧にフリーソフトウエアを使うことに不安はありませんでしたか。

無料だし、とにかくやってみようと。私はパソコンを自作した経験もあり、コンピュータには慣れ親しんでいたので、フリーソフトにも抵抗はありませんでしたから。

しかし、結局、その復旧は失敗に終わり、最後はロジテックにデータ復旧を依頼することになりました。

その時は、ロジテックの技術者から「ディスクの物理損傷が相当、進んでいます」と言われました。

これはフリーソフトが原因だったかもしれません。「不安定な状態のハードディスクを、フリーソフトで何十分もカリカリと読み続けたこと」が、ディスクの物理な損傷を悪化(※ いわゆるディスクの「傷口を広げる」状態)させた可能性があります。

いま思えば、フリーソフトを使ったのは、不適切でした。

ファイル名とフォルダ構造が全滅

そのフリーソフトにより、データはどの程度、復旧できたのでしょうか。

全体の2割ほどです。しかし、その2割は「困った形」で復旧されていました。

元のデータは、年度別、行事別にフォルダ分けして整頓していましたが、そのフォルダ構造やファイル名が全滅だったのです。

全体の数万個のファイルのうち、復旧できたのは2000個程度。しかしファイル名は、すべて乱雑な番号になっており、それが2000個ひたすら並んでいます。その無秩序なファイル群から、必要な写真を見つけ出すのはとうてい無理でした。

データ復旧サービスを使うことに決めた経緯

その後、データ復旧サービスを使うことに決めた経緯を教えてください。

フリーソフトでの復旧に失敗し、途方に暮れているうち、年も明けて、卒業アルバム制作の時期が近づいて来ました。何とかしなければならない。

高額の費用を支払うのは気が重いところでしたが、卒業アルバムを作らないわけにはいきません。しかたがない、腹を決めて、データ復旧サービスを使うことに決めました。

さっそく「データ復旧」などのキーワードで検索し、数社を比較してみました。

データ復旧には不安が多かったので、なるべくその不安を解消してくれる会社を選びたいと思いました。

データ復旧サービスへの不安

データ復旧には、どんな不安があったのでしょうか。

ひとことでいえば、「本当に直るのかな」という不安です。

どの会社も見積もり無料を謳っています。それは有り難いことです。

また、「復旧できる/できない」を事前に教えてくれる会社もあります。良いことです。

しかし、それでも不安は消えない。「復旧できる」といっても、いったい、どの程度なのか。数万あるファイルの「全部」が直るのか、それとも「半分ぐらい」しか直らないのか、

それを教えてくれずに、単に「復旧できます」だけ言われても、判断のしようがありません(もし2割しか直らないのだったら、フリーソフトと同レベルです。それなら費用をかけて注文する意味はありません)。

データ復旧は一発勝負です。「信頼できる会社」に頼みたい。中には、技術を伴わずに「やる気だけ」で突っ走っている会社もあるかもしれない。データ復旧に必要なのは、営業的な積極性ではなく、技術です。技術力のある会社でないと頼めません。

以上、「復旧可能なファイルが事前に分かること」、「技術力が信頼できること」、「見積もりが無料であること」という基準で調べたところ、その3条件を満たしていたのはロジテックだけでした。

ロジテックのことは、「周辺機器メーカー」として以前から良く知っていました。ハードディスク技術が蓄積されている信頼できる会社です。ロジテックなら安心だと思い、ここに依頼することに決めました。

ロジテックのデータ復旧への評価

データは、どの程度、復旧できたのでしょうか。

9割のデータが復旧できました。

1割はディスクの物理損傷が進んでいて復旧が不可能だった箇所です。

特に、フォルダ構造とファイル名を完璧に再現できいたことには驚きました。

フリーソフトと比べて恐縮ですが、やはりプロの復旧は違うなと実感しました。

(奥様):私は技術的な事は分からないのですが、とにかく写真データが復活して本当に良かったです。生徒の思い出のアルバムを作ることができました。ありがとうございます

(ご主人):今回、「さすが、ロジテック」という感想を持ちました。データ復旧、ありがとうございました。これからもがんばってください!

ロジテック技術者より
コメント

今回はどのような障害だったのか
お客様からはハードディスクドライブからできる限りの写真を取り出して欲しいとのご要望がありました。専用装置での解析の結果、やや進行した状態の物理損傷が認められ、通常速度で
のアクセスができない状態になっておりました。特に問題だったのは、物理損傷になっている箇所をアクセスするとドライブがロック状態(デバイスロック)となってしまい、それ以降のアクセスが全く不可能となることです。
どのような技術対応を行ったか
今回の障害媒体では物理損傷がある程度進行してしまっておりますので、ドライブ全体にアクセス不可能な領域(不良セクター)が発生しています。そこで、まず障害媒体全体をおおまかにスキャンし、物理損傷部位の分布を調べました。
物理損傷のある箇所を長時間アクセスすることは、さらに傷を深め、ヘッドやプラッターに致命的なダメージを与える原因となります。
事前にその場所を特定しておき、そこを回避してイメージ抽出を実施することで、ヘッドやプラッターへのダメージを最小に抑えつつ、目的のデータを少しでも多く回収することが可能です。
正常部分のイメージ抽出が完了した後に、徐々に症状の重いエリアへと作業を進め、最終的には90%以上の領域からイメージを回収することができました。
今回の修復をふりかえって
このようなアプローチは一般的なデータ復旧ソフトでは不可能で、技術的なノウハウと専用機材の組み合わせによって実現しています。
しかし今回は障害媒体の状態が悪かったこともあり、良好な結果を得るには多くの時間を要する状況でした。
この点に関しましてお客様にご協力頂けたことで、より高い精度での復旧が可能になったと考えております。

※ 取材日時 2014年4月
※ 文中の数字、データはいずれも取材時点のものです。

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