データ復旧サービス導入事例

かとうクリニック

かとうクリニック院長 加藤保司氏にロジテックのデータ復旧サービスを活用した理由と経緯について詳しく聞きました。

LACIE 1.3テラバイト(RAID)のデータ修復を依頼しました。モニター破損という重度障害でしたが、データは無事、復旧していただけました

かとうクリニック
■ 対象ハードディスク
LACIE 300799J/1.3TB/RAID0構成の外付けハードディスク
■OS
Windows Vista Home(クライアント環境)
■復旧スケジュール
解析開始~調査報告 2012/5/23 ~ 5/25
復旧開始~復旧終了(発送) 2012/6/2 ~ 6/4
かとうクリニックについて

三重県伊勢市で神経内科専門医、総合内科専門医(内科専門医)として神経内科・内科を開業しているクリニック。
2008年1月開業。

LACIE 1.3テラバイトのディスクが読めなくなる

今回、ロジテックにデータ復旧を依頼した経緯をお聞かせください。

6年前に購入した、LACIE製1.3テラバイトのハードディスクが、突然、読めなくなってしまいました。そのディスクには、MRI、PET、SPECTの数百人分の画像データや、それまで執筆した論文や、学会発表で使ったパワーポイントなど様々なデータを保管していましたが、中でも重要性が高かったのが、他の病院への診療情報提供書、いわゆる「紹介状」のデータでした。これを失うと、いま診療中の患者さんの診療に支障が生じかねません。このデータだけは、たとえ復旧費が高額であっても、必ず復旧する必要がありました。

まずは当院の薬品の仕入れ先であるA社に相談しました。A社からは、薬品の他に、医療設備や備品などを購入しています。何かが必要になったり、困ったことが起きた場合は、まずA社に相談することにしています。

ロジテックにデータ復旧を依頼した理由

A社からはどのような対応がありましたか?

A社からは「ロジテックがデータ復旧サービスをやっています。LACIEのデータ復旧を依頼するならそこが一番、確実でしょう」と紹介があったので、さっそくA社に、「ではロジテックに連絡して見積をもらってきてください」と依頼しました。

その後、見積が来ましたが、第一印象は、「こんなに高いものなのか…」でした。最近ではたとえ2テラバイトのハードディスクであっても3万円以下で買えますが、データ復旧に要する価格は、それを遙かに超える金額でした。

ただ、ロジテックの技術者からは、「今回の故障は、RAIDを構成するハードディスク内部のモーター障害という複雑な故障です。モーター破損の場合、ハードディスク本体、すなわちハードウエアが直れば良いという話なら、ハードディスクを交換すればよい話ですが(ハードディスクは修理することはできませんので物々交換となります)、その場合、内部のデータも同時に失うことになります。ハードディスクの交換ではなく、中のデータを復旧させようとするならば、極端な話、その壊れたLACIEを分解してディスク円盤(プラッタ)を取り出し、そのディスクを使ってハードディスクを『もう一台つくる』ぐらいの作業をしなければいけません。また今回のLACIEは内部はRAID構成になっており、再構成は非常に困難です。これらの理由により、通常のデータ復旧に比べて、見積が高価になっております。なお、全ファイルのうち95%は復旧できます。データ復旧可能なファイルのリスト(ファイル名一覧)も事前にお見せします」という説明がありました。

念のため、ネットで「データ復旧」検索して、他のデータ復旧サービスのホームページも調べました。中には、「データ復旧、成功報酬。4万円以上はいただきません」と謳うホームページもありましたが、しかし、成功報酬ということは失敗することもありうるわけです。今回のデータ復旧は失敗されては困ります。ここは価格ではなく確実性を優先して、A社の推薦通りロジテックにデータ復旧を依頼することを決めました。

3日後、データは無事、復旧されて戻ってきました。紹介状データも全て無事でした。

ロジテックへの評価

今回のデータ復旧をふりかえっての、ロジテックへの評価を教えてください。

電話では、技術者の男性が対応してくださいましたが、その対応が非常に良かったことが印象に残っています。丁寧な言葉づかいで、初心者に分かりやすいようにきちんと説明をしてくれました。電話で話しているだけでも、信頼感が感じられました。

ロジテックさん、今回は貴重なデータを復旧してくださり本当にありがとうございました。これからも高品質のデータ復旧サービスを続けてください!

ロジテック技術者より
コメント

今回はどのような障害だったのか
お客様からは、「ハードディスクのモーターが回転していない」という申告がありました。こちらに届いたハードディスクを検証したところ、ご申告通りの症状が確認できたので、分解して調査しました。調査の結果、ACアダプタプラグ付近の部品破損と基板損傷が確認できました。また、取り出した4本の構成ハードディスクのうち、2台に軽度及び中程度の物理損傷が認められました。
どのような技術対応を行ったか
今回のハードディスクはRAID-0構成の製品だったので、構成ハードディスク4台のうち1台が欠けても致命的な状態となります。まずは中程度障害のディスク1台の全体と、軽度障害のディスクの障害が起きている部位の付近を専用機器で操作し、データイメージを抽出しました。抽出の際は、障害が起きているドライブへの負担を低減しつつ、最大限多くのデータが抽出できるよう配慮しました。結果としては、極めて少ない不良セクタ数での抽出に成功しました。その後RAIDの再構成を実施した際も、ファイルシステムの損傷は軽微で済みました。
今回の修復をふりかえって
今回は、基板が物理的に損傷し、その結果、ハードディスクにHDDに電力が供給されなかったことが、かえって幸いしたと考えます。ディスクに衝撃が加わって物理損傷が生じる場合、まずプラッタやヘッドがディスク円板に当たってダメージが生じますが、その後、電源を入れて通電させてしまうと、その障害がさらに加速、深刻化することがよくあります。今回は、電源系統が絶たれたことで通電が生じませんでした。それが、結果として良好な復旧結果を得られた大きな理由です。
その他
今回のような物理損傷のケースでは、ハードディスクを輸送するときに、障害が進行する可能性があります。つまり「梱包状態が復旧結果に影響することが少なからずある」ということです。しかし、加藤様は、障害ハードディスクをご購入時の正規梱包箱に入れて送って下さったので、障害媒体へのダメージが大きく低減されていました。購入後はとかく邪魔にされがちな梱包材ですが、緩衝材の設計が製品に最適化されていることもあり、障害媒体の輸送にはやはり適しています。梱包材を保管してご活用いただいたことも、良好な復旧結果が得られた要因の1つです。

※ 取材日時 2012年7月
※ 文中の数字、データはいずれも取材時点のものです。

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