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Column Vol.012 SeeQVaultの仕組みと便利な使い方

デジタルテレビ放送の登場と著作権保護

 アナログテレビ放送の時代は、テレビ録画の主体は長らくVHSなどのビデオデッキ(テープデバイス)の役割でした。(図1)ところがパソコン等のデジタル情報機器の普及に伴って、ハードディスクなどのストレージデバイスの低価格化が急速に進み、テレビ録画の主体はビデオテープからハードディスクへと移っていきました。(図2)2000年にデジタルテレビ放送が始まるとその流れは決定的なものとなり、現在ではビデオデッキのみならずテレビにもハードディスクへの録画機能が備わっているのが当たり前になっています。(図3)

図1,2,3 録画方法

図4,5,6

 もともとコンピュータのハードディスクはデジタルデータ専用のストレージであるため、デジタルテレビ放送ではそのクオリティーを全く劣化なく保存できる特性があります。そこで著作権保護の観点からセキュリティの強化が求められました。法整備面ではデジタルテレビ放送に対して、コピーワンスおよびダビング10などの録画制限の仕組みが規定され、同時にコンテンツを保管するストレージデバイスには、記録データの厳重な暗号化が義務づけられています。
デジタルテレビやBDレコーダーなどのホスト機器に接続するUSBハードディスクは、接続の際に必ずホスト機器との紐付け(登録)(図4)が行われます。この時、USBハードディスク内のファイルシステム全体がホスト機器により暗号化されますが、その暗号鍵にはホスト機器が持つ固有キーが用いられます。このため、特定のホスト機器で録画したコンテンツは、他のホスト機器では再生できません。(図5)もちろんパソコンに接続しても、暗号化されたUSBハードディスクは「未フォーマット」と認識され、その内部コンテンツには一切アクセス出来ません。(図6)
しかし録画を行ったホスト機器が故障した場合、そのホスト機器と紐付けられたUSBハードディスク内のコンテンツには一切アクセスできなくなります。ホスト機器の固有キーは一個体ずつ異なるため、違う機種同士はもちろんのこと、全く同じ機種であってもUSBハードディスクの暗号を解除できません。最近のモデルではいくつかのUSBハードディスクを登録できる機能を持つものが増えていますが、その場合、そのホスト機器が故障すると登録した全てのUSBハードディスクのコンテンツが未来永劫再生できなくなってしまいます。

SeeQVaultの仕組み

図7,8

 このような問題を解決し、USBハードディスクやSDカードなどに対して機種間の互換性を持たせようというのが「SeeQVault」対応ストレージです。SeeQVault対応ストレージはその内部の保護された領域に暗号キーを持ち、SeeQVault対応のホスト機器はその鍵情報を使ってコンテンツを暗号化します。(図7)従来の方式と異なり、暗号の復号化に必要な鍵情報がストレージデバイス側に備えられているため、別のSeeQVault対応のホスト機器でもストレージ内のコンテンツにアクセス出来ます。この仕組みは、BDレコーダーがBDメディアの固有キーを使ってコンテンツを暗号化する仕組みと似ていますが、従来のUSBハードディスクには暗号鍵を安全に保管する仕組みが標準で備わっていなかったと言えます。その結果SeeQVault対応ストレージでは、不幸にもホスト機器が故障したり買い換えを行った場合でも、従来のホスト機器の録画データを再利用することが可能になっています。
 ただし、SeeQVault対応機器にもいくつかの制約があります。本来、SeeQVault対応製品の間ではすべての機器間であらゆるデータの互換性があるのが理想的ですが、異なるメーカーの製品同士では互換性がないのが実情です。(図8)例えばA社のテレビやBDレコーダーで録画したSeeQVault対応ストレージは、A社の別のテレビやBDレコーダーでの再生が約束されていますが、B社やC社など、他社のテレビやレコーダーでの再生はサポートされません。これはSeeQVault対応ストレージ上に作成されるデータの記録フォーマット(ファイルシステム構造など)が各社間で互換性がないためです。メーカー間の再生互換性を確保するためには、SeeQVault対応ストレージに対する記録フォーマットの標準化を行う必要があり、この点については今後AVメーカー各社の積極的な協力関係に期待したいところです。
 また、SeeQVault対応ストレージに対しては、従来のUSBハードディスクには無かった機能制限が存在します。例えばBDレコーダーの多くは、放送番組を直接SeeQVaultストレージに録画できません。(テレビはできるものが多いようです)また、ダビング回数を保持した状態での「ムーブ」はできず、BDメディアのように1回分の「コピー」しかできません。ダビング10のコンテンツの場合、オリジナルのHDDにはダビング残回数が-1され、SeeQVaultストレージ上のコンテンツはコピーワンスとなります。つまりBDレコーダーから見た場合、SeeQVaultストレージは大容量のBDメディアと同じ扱いになります。
 このような制限はありますが、それでもSeeQVaultはコンテンツを長期保管する上で、現時点では唯一無二の存在です。タイムシフトが目的だけなら通常のUSBハードディスクを、ずっと保管しておきたい番組はSeeQVault対応ハードディスクを、と使い分けるのが便利な運用と言えます。

図9

SeeQVaultの便利な使い方

 このような特性から、SeeQVault対応ストレージはコンテンツの長期保管に適していますが、他にも従来にはない便利な一面を持っています。SeeQVault非対応のUSBハードディスクでは、先にも述べたとおりこれをパソコンに接続してもその内部コンテンツには全くアクセス出来ませんでした。しかしSeeQVault対応のUSBハードディスクであれば、SeeQVault対応の再生アプリケーションと組み合わせることで、パソコンでそのコンテンツを直接観ることができます。(図9)これはSeeQVault対応ストレージが暗号の復号化に必要な情報を内蔵しているからこそ可能になった機能で、再生アプリケーションはそこから生成した暗号鍵を使ってコンテンツの復号化を実現しています。従来パソコンでデジタルテレビ放送のコンテンツを観るには、チューナー機器を接続(搭載)するか、ネットワーク機能(DLNA DTCP-IP)を使うしかありませんでしたが、テレビ受信機器のハードディスクに直接アクセスできるようになることで、利便性が大きく改善されます。
 従来のUSBハードディスクとSeeQVault対応ハードディスクをうまく使い分けることで、デジタルテレビのコンテンツを効果的に利用できる環境が構築し易くなったと言えるでしょう。

テレビ録画データの復旧について

 ロジテックデータ復旧技術センターでは、データ復旧サービスに関しまして事前にお客様にデータのリストと御見積をご提示させていただくことで、お客様に安心してサービスをご利用頂けるように心掛けております。しかしデジタルテレビ放送を録画したストレージの場合は著作権保護のためファイルシステム全体が暗号化されており、お客様にデータリストをご提示できません。そのため、著作権保護されたコンテンツの復旧はお受けしていないのが現状です。
 しかし、SeeQVault対応ストレージのような鍵情報を持った障害媒体の場合には、障害の内容によってはコンテンツリストが作成可能なケースがあるため、復旧の可能性が見込めると考えております。

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NAS/RAID製品/調査費用「無料」

※調査報告書・見積書・復旧可能なデータリストのご提出まで「無料」です。

※災害により被災を受けた障害媒体のみ、調査費用として「20,000円(税抜)/1媒体」がかかります。

パソコン/外付けHD/メモリ/調査費用「無料」

※調査報告書・見積書・復旧可能なデータリストのご提出まで「無料」です。

※災害により被災を受けた障害媒体のみ、調査費用として「20,000円(税抜/1媒体」がかかります。

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