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Column Vol.010 ハードディスクに採用されている技術 Volume 01

 ハードディスクはドライブメーカーやその部品メーカーのたゆまぬ努力によって長年に渡って改良が続けられてきました。その結果、パソコンに導入が始まった1980年代には1台あたり数メガバイトしかなかった記録容量が、現在では数テラバイトにも達するようになり、この30年ほどの間にその記録容量はなんと100万倍近くまで増加しています。
 ここではハードディスクの歴史の中で重要な変革をもたらしたものを中心にして、現在のハードディスクに導入されている先進技術を見ていきます。

GMRヘッド(Giant Magneto Resistive Head)

図1 GMRヘッドは薄い強磁性体膜と非磁性体膜を積層した構造になっています。この図では単純に2枚の強磁性体膜で非磁性体膜をサンドイッチした構造で示していますが、片側の強磁性体膜が磁界固定されているのに対して、もう片側の強磁性体膜は外部磁界に合わせて磁界反転します。その結果、サンドイッチされた非磁性体膜の抵抗値が変化し、これを電気信号に変換することで高い効率で磁力変化をとらえることができます。

 1990年代末期に導入された磁気ヘッド技術で「巨大磁気抵抗効果ヘッド」と呼びます。ハードディスクは磁性体を塗ったプラッター(磁気ディスク)に、磁気ヘッドを使って情報を記録・再生します。磁気ヘッドの役割は、電気信号の変化を磁気変化に変換してプラッターに記録し、またこのプラッター上の磁気記録を読み取って電気信号の変化に戻すことになります。ここで重要になるのが、磁気を電気に変換する「再生ヘッド」の変換効率で、どれだけ小さな磁気変化をとらえることができるか、つまり磁気ヘッドの感度がハードディスクの記録密度を高める上で重要な要素となってきます。より小さな磁気変化をとらえることができれば、プラッター上により細かく情報を記録できるようになるため、感度に優れた磁気ヘッドの開発は最優先課題の1つでした。
 GMRヘッドでは、厚さ数ナノメートルの非常に薄い強磁性薄膜と非磁性薄膜を多層に積層(重ね合わせ)した「巨大磁気抵抗」素子が使用されています。(図1)このGMRヘッドはそれまでの磁気ヘッドに比べて非常に高い磁気感度があり、より微細な磁気記録を可能にしました。
 現在はより磁気感度の高いTMRヘッド(Tunnel Magneto Resistive Head)が実用化されており、実際の製品に採用されている読み出しヘッドはGMRヘッドからTMRヘッドへの移行期にあります。このTMRヘッドはGMRヘッドの積層内に絶縁層を設けた構造になっており、GMRヘッドの発展系と言えます。
 さらに将来に向けてGMRヘッドの改良型であるCPP(Current Perpendicular to Plane)型GMRヘッドの開発が盛んに行われており、その実用化によって1台で十数テラバイトの記録容量を持つハードディスクの実現が期待されています。通常のGMRヘッドが薄膜積層に対して平行に電流を流すのに対して、CPP型GMRヘッドでは垂直方向に電流を流すことで高密度化に適した構造とされています。

垂直磁気記録方式

図2 一般的な水平磁気記録方式では、磁気ヘッドの切れ目(ギャップ)から漏洩する磁界によって、プラッター上の磁性体を水平方向に磁化します。これに対して垂直磁気記録方式ではプラッター下層の軟磁性体層を磁気回路の一部とすることで、プラッター上の磁性体を垂直方向に磁化します。

写真1 垂直磁気記録方式を初めて採用した1.8インチハードディスクドライブ。大容量化と軽量化を両立し、携帯オーディオプレーヤーやビデオカメラなど、情報家電機器へのハードディスク搭載を可能にしました。

 本来ハードディスクでは、磁性体に対して周方向、すなわち回転方向に対して水平に磁力を記録する方式が採用されていました。これは「水平磁気記録方式」と呼ばれ、古くはオーディオテープやビデオテープなどのアナログ記録テープデバイスから、フロッピーディスクなどのデジタル記録デバイスまで共通の記録方法でした。
 しかしこの水平磁気記録方式には、隣接した磁気記録領域(磁区)同士の反発による磁力低下などにより、高密度化(大容量化)が難しいという課題がありました。これに対して2000年以降、磁性体に対して垂直方向に記録を行う方式が実用化され、大幅に記録密度を向上させる技術として、今ではほとんどのハードディスクに採用されています。(図2)
 垂直磁気記録方式では、プラッターおよびヘッドに垂直磁気記録専用のものが必要です。プラッターでは、データの記録を行う強磁性体の記録層の下に軟磁性体による「裏打ち層」が積層されており、磁気ヘッドと共に磁気回路の一部を構成することで垂直磁気記録を実現します。さらに磁気ヘッドも磁気回路の構成の違いから、垂直磁気記録用の従来とは異なった形状のものとなります。
 垂直磁気記録方式のハードディスクは2005年に国内のドライブメーカーによって初めて製品化され、1.8インチクラスのハードディスクで、プラッターあたり40ギガバイトという高密度記録を実現しました。(写真1)今では2.5インチハードディスクはもちろんのこと、3.5インチハードディスクにも垂直磁気記録方式の採用が進んでいます。

ガラスプラッター

 ハードディスクのプラッター基板の材質は、もともとはアルミニウム製でした。アルミは製造や加工が容易で軽量、かつ処理によって表面の硬度を高めることが可能であったため、長い間プラッター基板として使用されてきました。そこへ国内の大手ガラスメーカーがガラス製のプラッターを開発し、2000年に米国のドライブメーカーから初めてガラスプラッターを採用したハードディスクが登場しました。(写真2)ガラスは非常に硬度が高く、かつ表面の平滑度を高くできることなどから、現在ではハードディスクプラッター基板の主役となりつつあります。特に2.5インチ以下のハードディスクでは、薄型化によって高い硬度と軽量化の両立が可能であることから普及が進み、現在ではほぼ全てのハードディスクがガラスプラッター基板となっています。
 ガラスというと割れやすいイメージがありますが、通常の使用においてガラスプラッターが割れると言うことはまずありません。もっともガラスプラッターが割れるほどの衝撃であれば、磁気ヘッドがひとたまりもなく破損してしまうはずです。(写真3)

写真2 ガラスプラッターを初めて採用した3.5インチハードディスクドライブ。それまでのハードディスクのプラッターはアルミニウム製でしたが、ガラスプラッターの採用により高い硬度と平滑性を実現し、現在ではほとんどハードディスクがガラスプラッターを採用しています。写真3 ガラスプラッターはその名前から割れやすいイメージがありますが、実際は非常に強靱でそう簡単に損傷するものではありません。この写真は破砕機を使って意図的に割ったものですが、一般的にはプラッターを割るのは決して容易ではありません。※ガラスプラッターの破片は非常に細かく鋭利で危険ですので決して真似をしないで下さい。

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